勝てない川崎。厳しい状況にキャプテン脇坂泰斗は悲壮な決意「先頭に立つ者の強さが問われる」「若い選手が考えすぎない環境を」

[J1第8節]C大阪 1-0 川崎/4月13日/ヨドコウ桜スタジアム

勝利が遠い。

敵地でC大阪と対戦した川崎は70分にレオ・セアラに決勝弾を奪われて0-1で敗戦。3連敗の後、5節のFC東京戦(○3-0)、6節の横浜戦(△0-0)とやや持ち直したように見えたが、前節の町田戦(●0-1)に続く連敗で、順位は16位に後退した。

アウェーの地に駆け付けてくれたサポーターへの挨拶では、温かい拍手を送られたが、誰よりも悔しそうな表情を浮かべていたのが、今季からキャプテンに就任した脇坂泰斗だ。

チームは4-3-3からここ数試合は4-2-3-1へ布陣変更し、攻守のバランスの調整や動き方をより明確にしてきたが、脇坂は「改善点が多いゲームだったと思います」とC大阪を評した。

【動画】C大阪×川崎戦のハイライト

これで3試合連続での無得点、2試合連続の完封負けと、どうも元気がない。選手たちもどこか自信をなくし、迷いを持ちながらプレーしているようにも映る。

そんな状況だからこそ、脇坂は背中で見せたいとの想いも口にする。

「どう攻めるかというところだと思うので、そこを合わせないとチグハグな攻撃になってしまう。そこはやり続けていくしかないと思います。

自分はたとえ厳しいボールが入っても、マイボールにしなくちゃいけないですし、そういったところも今日はできなかったので、もっともっと個人としての質を上げていくしかないです」

アカデミー育ちで、大学を経由して、川崎で7年目を迎えた28歳は、満を持してキャプテンマークを巻いたが、結果を残せず非常に難しい時間を過ごしている。それでも「キャプテンとしてどう行動していきたいか」との問いには。下を向かず強い覚悟を示す。

「まずはチーム、チームになりすぎないように、自分がやれることをできないと、なんの意味もないですし、その姿勢やそういったものが、よりチームに影響が出るようにやっていきたいです。

ただ、そういうノビノビしたプレーが、チーム全体でもできていないので、その声がけは切らさずにやっていきたいです。若い選手が考えすぎない環境を作ってあげられていないというのがあるので、そこは頑張りたいです。

みんなで強くなっていきたいですし、ここで崩れてしまうのか持ちこたえて上がっていくのか、チームの一人ひとりの力だったり、先頭に立つ者の強さが問われると思います」

リーダーとして力強く前を向く。その14番の背中に多くが勇気づけられるはずである。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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