観客をあおったという不可解な警告にルネが猛反発!「暴言を吐いたわけでもないのに」。ATPの投稿も火に油<SMASH>

現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日~14日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)で準々決勝敗退を喫した世界ランク7位のホルガー・ルネ(デンマーク)が13日に自身のX(@holgerrune2003)を更新。試合中に自身が受けた不可解な警告について、ATP(男子プロテニス協会)を強く批判した。

昨年準優勝のルネは第7シードで参戦した今大会、雨天順延となったシュミット・ナガル(インド/93位)との初戦(2回戦)をフルセットで突破すると、同日の3回戦では大会史上最長となる3時間30分の死闘の末にグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/9位)に勝利。準々決勝では全豪オープン覇者のヤニック・シナー(イタリア/2位)との対決を迎えた。

ハイレベルな打ち合いが繰り広げられたこの試合は、ルネが第5ゲームでブレークを喫し4-6でセットダウン。第2セットは両者一歩も譲らず、互いにブレークがないまま終盤へ突入する。事件が発生したのは、緊迫した展開が続く中で迎えた第11ゲームでのことだった。

0-30と先行されたルネは次のポイントを始めるまでに時間をかけてしまい、主審からタイムバイオレーションを言い渡されてしまう。すると会場を埋め尽くしたファンからは大きなブーイングが。ここでルネが右手を上げて軽く観客をあおるかのような仕草を見せたのだが、これを見た主審がルネに「スポーツマンシップに反する警告」を与えたのだ。
主審に詰め寄ったルネは、程なくして介入してきたスーパーバイザー(大会監督者)にも続けて「タイムバイオレーションは理解できるが、暴言を吐いたわけでもないのに、なぜ警告を受けなければならないのか」と猛抗議するも、結局判定は変わらずプレー再開。直後に0-40とされたルネだったが、そこから驚異の粘りでキープに成功してみせた。

そのまま突入したタイブレークでは2本のマッチポイントを握られてから8-6の逆転で第2セットを奪取したルネ。しかしその甲斐もなくファイナルセットは3-6で落とし、惜しくもベスト4入りを逃した。

試合後にはATPが公式X(@atptour)で「健闘を祈るよ」という言葉を添え、問題のシーンの直前にシナーが放ったフォアハンドのウイナーの動画を公開。ところがこれが不可解な警告に納得がいかないルネのさらなる怒りを買うことになる。同投稿を引用する形でルネは批判の言葉をこう綴った。

「ATPよ、これはどういう意味だ...? そもそもあなたたちは僕に最高のコンディションを用意してはくれなかった。前日は遅い時間に終わって昨日は2試合をプレーし、回復する時間はほとんどなかった。さらには主審が重大なミスを犯し、誤った警告を与えて試合を妨害した。健闘を祈るよ。畜生」

それでもこの後の投稿では「38時間の間に3試合(笑)短いながらも美しい大会だった。自分のレベルには満足している」とポジティブに大会を総括したルネ。まだもやもやは晴れていないだろうが、気持ちを切り替えて前に進んでほしい。

文●中村光佑

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