アルファロメオのコンパクトSUV「ミラノ」がワールドプレミア。同ブランド初のフルBEVも登場

2024年4月12日(イタリア現地時間)、ステランティス グループの「アルファロメオ」ブランドは、コンパクトSUVのニューモデル「ミラノ(MILANO)」を世界初公開した。同車にはフルBEV(バッテリー電気自動車)も設定される。

アルファロメオの伝統と革新を感じさせる内外装

全長4.17m、全幅1.78m、全高1.5mというコンパクトなサイズのミラノ。

アルファロメオから、ステルヴィオ、トナーレに続くSUV第3弾として、コンパクトSUVのミラノが登場した。そのサイズは、全長4.17m、全幅1.78m、全高1.5mというコンパクトなものだが、アルファロメオ チェントロスティーレ(スタイルセンター)が手がけた独創的でモダンな「メイド in イタリー」として、デザインの個性が凝縮されている。

そのプロポーションは、短いオーバーハング、力強いホイールアーチ、伝説のジュリア(Giulia)TZを彷彿とさせる象徴的な「そぎ落としたテール(コーダトロンカ)」など、伝統的なスタイリング要素を備えている。イタリアンスタイル、特にアルファロメオの「シンプル」は、自動車デザインという、実際には産業界でも屈指の、複雑な創造プロセスであることを感じさせない。

アルファロメオのアイデンティティのひとつである盾型グリルは、「レジェンダ(Leggenda:イタリア語で『伝説』)」と「プログレッソ(Progresso:イタリア語で『進捗』)」の2バリエーションがあり、「3+3」構成のアダプティブ型フルLEDマトリックスヘッドランプを備えた大胆なフロントのエクステリアが、その力強い個性をさらに引き立てている。

インテリアでは、あらゆる運転スタイルに適応できるよう、すべての操作系がドライバーの手の届く範囲に配置されている。インストルメントパネルとそのヒストリックな「テレスコープ(望遠鏡)」デザインも特徴的だ。メータークラスターの中央には完全にデジタル化された10.25インチTFTスクリーンが据えられ、ダッシュボードの中央にはドライバー側に向けられた10.25インチのタッチスクリーン システムが配置される。

インテリアをさらに特徴的に彩るのが、アルファロメオのスポーティネスを象徴するクアドリフォリオ(四つ葉のクローバー)の形をしたエアコンの吹き出し口だ。そしてサベルト製のスポーツシートが、機械的に高い強度と完璧なエルゴノミクス、軽量な構造を兼ね備えたバックレストにより身体を包み込む。ラゲッジスペースも400Lを確保している。

メータークラスターの中央には完全にデジタル化された10.25インチTFTスクリーンが据えられている。

48VハイブリッドとフルBEV、2種のパワートレーン

「3+3」構成のアダプティブ型フルLEDマトリックスヘッドランプを備えた大胆なフロントマスク。

ミラノには、「イブリダ(IBRIDA:イタリア語で『ハイブリッド』の意味)」と「エレットリカ(ELETTRICA:イタリア語で『電気の』という意味)」という2グレードが設定される。

イブリダは、1.2Lの3気筒 可変ジオメトリーターボエンジンと6速DCT、それに組み込まれた21kWの電気モーターで構成された48Vハイブリッドシステムを採用。システム総合出力は136psを発生。駆動方式はFFと4WDのQ4を用意するが、後者は後日の導入となる。

イブリダは平均的な市街地での利用においては、半分以上の時間を電動モードで走行できる。駐車操作時や市街地での低速走行時だけでなく、市街地から出た場合でも最大150km/hの速度で電動走行が可能だ。

エレットリカは、アルファロメオ初のフルBEVとなる。モーター出力は156psと240ps(ヴェローチェ)の2バージョンが設定される。いずれも高出力で太いトルクを生み出し、電動パワートレーンの独特な調整で、セグメントをリードするダイナミクスを実現し、妥協のないドライビングプレジャーを提供する。

リチウムイオン バッテリーの容量は54kWh。156psバージョンでは、WLTPモードで410km、市街地モードで590kmの航続距離を実現。充電は、100kWのDC急速充電ステーションならバッテリーを10%から80%まで充電するのに30分もかからない。

運転席のマッサージ機能付き電動シートなど快適装備も上級

フロントシートにはサベルト製のスポーツシートが装着されている。

ミラノは、ジュリア GTAを設計した同じチームが担った開発プロセスから生まれた、特別な技術ソリューションにより、アルファ ロメオならではのドライビングプレジャーを、コンパクトセグメントで実現している。エレットリカ ヴェローチェはスポーツサスペンションを採用し、車高が25mm低められている。ブレーキには4ピストンのモノブロックキャリパーや直径380mmの大径フロントディスクを、また20インチの高性能タイヤも採用されている。

イタリア本国では、イブリダとエレットリカ(156ps)のローンチエディション限定車、「スペチアーレ(SPECIALE)」の受注が開始された。エクステリアでは、「Progresso」バッジ、新しいアイコニックなアレーゼレッドのアクセントが付いた艶消しスポーツ仕上げ、および18インチの「ペタリ(Petali)」アロイホイールを装着。インテリアでは、合成皮革「スピガ(Spiga)」とファブリックの内装、レザーステアリングホイール、運転席のマッサージ機能付き電動シートなど、スポーティで高級感のある装備を採用している。

ハンズフリーで開閉できるテールゲート、革新的なコネクテッドシステムを組み込んだナビゲーションシステム、レベル2の自動運転システムなど、快適&安全装備も充実させた、アルファロメオ ミラノ。現段階では、日本仕様のスペックや価格、および導入時期などに関しては、ステランティス ジャパンからはアナウンスされていない。だが、日本市場でも人気の高いコンパクトSUVゆえ、遠くない将来には日本にも導入されるだろう。

リアまわりのデザインは、今までのアルファロメオ車とは異なる独特のものだ。

© 株式会社モーターマガジン社