園で子どもが友だちにケガをさせたらどうする? 電話で謝った方がいい?菓子折りは必要?それとも園の方針に従う?

引用元:ronstik/gettyimages

保育園や幼稚園に通っていると、子ども同士で喧嘩をすることも。もし、相手の友だちにケガをさせてしまったら…?について、「たまひ」アプリユーザーにアンケート調査をしました。もしもの時の対応について、子育てアドバイザーの高祖常子さんに聞きました。

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相手にケガをさせてしまった時は、どうした?どうする?

まず、自分の子どもがケガをさせてしまった場合の対応について聞いてみました。

■すぐに謝ります
「ケガの具合にもよりますが、相手には謝ります。子どもにきちんと怒らずにお話します」(3kidsママ)

■知っている人にはすぐに連絡
「相手の連絡先がわかっていて、普段から連絡をとっているような関係ならすぐに連絡をとり、相手の様子をうかがいます。そうでなれば、先生によろしくお伝えしていただけるよう伝言をお願いし、後日その返答をまた先生に伺います。どこかでお会いした時は必ず声をかけるようにするかなぁ」(こりん)

■とりあえず相談
「先生にケガの詳細を聞いて、どのような対応をすべきか相談します」(ふるさと)

■程度によってはお手紙でお詫び
「基本的に、“加害児童の名前を教えない”という方針の園なので、1歳クラスの時からちょっとした引っかき傷程度なら何もせず、お互い様で過ごしています。程度によりますが、お詫びの手紙や菓子折りなどが必要か、先生に聞いて、必要そうであれば先生からお渡ししてもらうと思います」(つなまよ)

■泣かせた時は親子で一緒に謝る
「ケガをさせたことはありませんが、よその子を泣かせたり、嫌な気分にさせたりした時は、親御さんとその子にしっかり謝っています。わが子も『ごめんなさい』を言うようにしています」(れもか)

■3歳以上だったら謝りに行く
「通っている保育園では、3歳までは保育園でケガをさせてもお互いに言い合わないことになっています。3歳以上、もしくは公園などで揉めた場合は、菓子折りを持って謝りに行くと思います」(りんりんりんご)

■特に相手には何も言わない
「友だちに腕を噛まれたとう報告があったことがあります。どちらが悪いか分からない子どもの世界なので仕方ないと思っていました。『痛かったねー』と、息子にはいいましたが、相手や先生には何も言いませんでした」(クラP)

■園の方針に従うことに
「園の先生からケガをさせてしまったと報告を受けた時に、『相手方の保護者の方に謝罪をしたいのですがどうしたらいいですか?』と聞きました。園の方針で、ケガをさせてしまったのは先生の監督不行届なので、相手方への謝罪はむしろ園でするのでどうぞお気になさらず、と言われそのままにしたことがあります」(ぽん)

親同士顔見知りであれば謝るほうが、後々の気まずさはなくなるのでは

わが子が園でケガをさせてしまった時は謝るという人が大多数でした。でも菓子折りが必要?LINEでいい?直接謝罪が必要?とどういう対応が必要なのか悩むこともあります。高祖常子さんに聞きました。

「未就学児の年少さんくらいまでは、故意ではないものの、引っ掻いたり、噛んでしまったりすることもあります。相手にうまく言葉で気持ちを伝えられなかったり、ついイラっとしたりしてやってしまうこともあるでしょう。

子ども自身も感情のコントロールを学んでいる最中です。その場ではわーっとなっていても、少し時間が経つと『相手が泣いちゃった』『悪いことしちゃった』など、子ども自身も感じ、学んでいきます。園の先生も、子どもの気持ちや相手の気持ちを代弁しながら、子ども同士のより良い関わりを促してくださっていると思うので、心配な様子があれば先生に伝えてみましょう。

子どもが相手の子にケガをさせてしまった場合は、親同士顔見知りであれば、コメントにもあるように連絡を取って謝る方がいいでしょう。先生に謝るのは不要と言われても、『今日○○ってことがあったみたい。うちの子がごめんね』などと伝えておくほうが、後々、顔を合わせたときも気まずくならないでいいでしょう。

ケガの程度にもよりますが、お互いさまの部分もあると思いますから、『お菓子をもって』ということまでしなくてもいいかもしれません。

わが子が相手のお子さんにケガをさせてしまった場合、親としてはつい『なんてことするの!』と子どもを怒鳴りつけたくなるかもしれません。まずは子どもに話を聞いてみましょう。『○○くんが、こんなことしてきたから』などと言ったら、『そうなんだ。それはいやな気持ちがしたね』とまずは受け止め、『でも、エイってやったら○○くん痛かったよね。今度からはお口で言うようにしようね』と伝えましょう。

2、3歳児では、噛みつきなども少なくありません。先生も子ども同士の関わりを見てくださっていますが、瞬間の行動なので防ぎきれないこともあるでしょう。何度も噛みつきが起こるようなら、親自身の気持ちを伝え、先生にクラスの状況を確認するなどしてみましょう。

子どもの成長でお互いさまの部分もあることは承知しつつ、子ども同士の関わりについて心配があれば、その都度先生に相談するようにしましょう。先生自身が気づいていないこともあると思います。言わずにイライラや不安がたまるよりも、先生への感謝を示しつつ、『こんなことがあって』など情報提供として伝えるといいでしょう」(高祖常子さん)

園の生活の中では、仲良しのお友だちでも噛んだり、引っ掻いたりということはあります。親は子どもの気持ちに寄り添うことを大事にしたいですね。
(取材・構成/メディア・ビュー 酒井範子)

高祖常子さん

PROFILE)
子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。保育士、幼稚園教諭、社会教育主事、ピアカウンセラーなどの資格を持つ。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか。全国13万部発行の「育児情報誌miku」編集長として14年活躍。育児誌を中心に編集・執筆を続けながら、子どもの虐待防止と、家族の笑顔を増やすための講演活動、ボランティア活動を行う。3児の母。著書多数。

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年1月の情報で、現在と異なる場合があります。

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