“元王者”ウォリアーズはプレーオフに進めるか?指揮官はプレーインに集中しつつ「次週に向けて準備していくことに関心がある」<DUNKSHOOT>

現地時間3月26日のマイアミ・ヒート戦を皮切りに6連勝を飾り、4月11日までの10試合で9勝1敗と調子を上げていたゴールデンステイト・ウォリアーズ。ところが、12日のニューオリンズ・ペリカンズ戦に109-114で競り負けたことで、ウエスタン・カンファレンス10位へと後退した。

現地14日のレギュラーシーズン最終戦を前に、ウエストはロサンゼルス・レイカーズが46勝35敗(勝率56.8%)で8位、9位のサクラメント・キングスと10位のウォリアーズがともに1.0ゲーム差の45勝36敗(同55.6%)で追いかける展開となっている。

ウォリアーズは最終日にホームのユタ・ジャズ戦に勝利すれば、8位まで順位を上げるチャンスが残されている。ただし、そのためにはレイカーズとキングスが敗れることが条件のため、厳しい状況なのは間違いない。さらにチームは主力のステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン、クリス・ポール、ジョナサン・クミンガの出場ステータスがいずれもクエスチョナブル(Questionable=不確か)で、ベストメンバーで臨めない可能性が出てきた。

スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は、現状を踏まえて16日から19日にかけて行なわれるプレーイン・トーナメントへ向けて次のようにコメントしている。

「プレーインゲームを2試合戦わないといけない。そこで勝った場合は48時間後に(プレーオフの1回戦)第1戦に臨むことになる。私は次週(プレーオフ)に向けて準備していくことの方に関心があるが、我々としては(他チームの)結果を見守っていかないといけない」

プレーイン・トーナメントは、まず7位と8位のチームが対戦し、勝利チームが第7シードを獲得。そこで敗れたチームは、9位と10位のチームによる勝者と第8シードをかけて戦うこととなる。
過去2シーズン、ウォリアーズはウエスト第3シードでプレーオフに進んだ2022年に優勝、昨季は第6シードでカンファレンス・セミファイナル進出を果たした。

一方、ウエスト8位の39勝33敗(勝率54.2%)でレギュラーシーズンを終えた2020-21シーズンは、7位決定戦でレイカーズに100-103、8位をかけた最終戦でメンフィス・グリズリーズに延長の末112-117で敗れたことでプレーオフを逃している。

それでもトンプソンは、「別にこの世で最悪なことってわけじゃない。僕らはとんでもないくらいの移動をして多忙を極めた3月を乗り切っているんだ」と、16試合のうち10試合がアウェーゲームだった3月を引き合いに出して自信をのぞかせている。

ウォリアーズは今季、レイカーズに対して3勝1敗(アウェーでは2戦全勝)、キングスにも2勝2敗(アウェーでも1勝1敗)の五分と、決して相性は悪くないことから、プレーイン初戦でこのどちらかと激突すれば勝機は十分あるだろう。

ただ、現在6位のペリカンズ(49勝32敗/勝率60.5%)とは1勝2敗、7位のフェニックス・サンズ(48勝33敗/同59.3%)とも1勝3敗と負け越しているため、このどちらかと8位決定戦でぶつかる場合は要注意だ。

はたして、14日のシーズン最終日を終えてウエスタン・カンファレンスはどのような順位になるのか。今季の覇権争いへ参戦するチームを決めるプレーインの行方に注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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