「難しい状況を楽しみながら」前回覇者が挑むトーナメントのルヴァン杯初戦へ J1アビスパ福岡・奈良竜樹主将「勝ち切ることがチームをたくましくする」

ルヴァン・カップ初戦の松本戦に向けた公開練習で汗を流すJ1福岡・奈良

J1アビスパ福岡は14日、福岡市の雁の巣球技場で前回覇者として臨むYBCルヴァン・カップ初戦のJ3松本山雅戦(17日、サンプロアルウィン)に向けた練習を公開した。奈良竜樹主将は「前回王者という枕詞は自分たちだけ。タイトルホルダーとしての大会だということに誇りと自信をしっかり持って臨まないといけない」と静かに闘志を燃やした。

前日13日のリーグ戦、ホーム広島戦は1―1の引き分け。広島戦の先発メンバーはリカバリーメニューとなったが、その他の選手は松本戦に向けての戦術理解も含めた実戦練習をこなした。3月30日のアウェー浦和戦で頭付近を強打し、脳震とうの疑いで交代して以来、欠場が続く奈良は一部別メニューで復帰に備えた。

多くの相手サポーターが詰めかけることが予想される松本のホームでの一戦に「完全アウェーは選手に悪い影響をもたらすとは思わない。それでチームが団結することもある。自分もそこに参戦するという気持ちを持って臨みます」と意欲をみなぎらせた。

同カップは今季からJ1からJ3の全クラブがトーナメントで頂点を争う。J1クラブ中心のホームアンドアウェーで1次リーグが行われた昨季までと大会方式が変わった。長野・松本の地で戦った後は中2日でリーグ戦のホーム磐田戦が待つ過密日程になる。

奈良は「難しい状況になるけど、そこは楽しみながら。そういう状況で勝ち切ることがチームをたくましくするだろうし、もしかしたら普段(リーグ戦で)なかなか出場機会のない選手が試合に出るかもしれない。出る選手にとっては本当にいい経験だし、個人の成長に向けた積み上げになる」と期待を寄せた。(向吉三郎)

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