吉田鈴が3年連続でベストアマ 同い年の初Vに刺激、今年こそプロテスト合格だ

3年連続のローアマチュアを獲得した吉田鈴(左)と優勝の竹田麗央(撮影:佐々木啓)

<KKT杯バンテリンレディス 最終日◇14日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6518ヤード・パー72>

5人が出場したアマチュアでただ一人、決勝ラウンドに進んだ吉田鈴がトータル2オーバー・32位タイでフィニッシュ。3年連続のベストアマを獲得した。

2003年度生まれの20歳は、18番グリーン脇で同い年の竹田をハグして初Vを祝福。合格は間違いなしと言われながら、これまでプロテストに3度失敗している実力者は「今年こそは合格して、みんなと同じ舞台に立ちたい」と“サクラサク”への思いを強くした。

昨年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」以来となる24試合目のツアーは強行軍だった。6日(日本時間7日)まで米ジョージア州で開催された「オーガスタ・ナショナル女子アマチュア」に出場し、日本勢最上位の14位で大会を終えた。8日午後に帰国。翌9日は埼玉で行われた「関東女子アマ」の予選を4位で通過し、休む間もなく10日に熊本入りして今大会に参戦した。

「時差ぼけがまだ残っていて、体力的にも精神的にもきつかった。ラウンド中はドライフルーツとか甘いものをたくさん食べていました。そこを考えたら、この結果には満足しています。ベストアマは素直にうれしいです」

同じ2003年度生まれの仲間たちは川崎春花、櫻井心那、尾関彩美悠らがいるが、そのうちの多くがすでにプロとなり、今回の竹田麗央でツアー優勝者は5人となった。自身は昨年のプロテスト2次で敗退するなど“浪人”の身。焦る気持ちはあるが、「レベルアップはしていると思う。何が起こるか分からないのがプロテスト。基礎、基本を大切に過ごし、何が起きても対応できるようになりたい」と話した。

3歳年上の姉・優利は今年から主戦場を米国に移した。「米国に行って姉は着実にまたうまくなっていると思う。自分も負けないように頑張るだけ。追いつき、追い越せです」。ホールアウト後はサインを求めるファンが長い列をつくった。人気はすでにプロ級のスター候補生は腹をくくり、地に足をつけて4度目の正直を目指す。(文・臼杵孝志)

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