厄落としに皿射抜く 八幡浜・大元神社で伝統の「百矢祭」

大元神社の百夜祭で、的を目がけて弓を射る厄年の地元男性ら

 愛媛県南予地方で唯一現存する弓祭りとなっている八幡浜市中津川の大元神社の「百矢祭」が14日あり、厄年の男性らが的を目がけて弓を射る伝統行事を繰り広げ、住民や出身者ら大勢の見物客でにぎわった。

 百矢祭は、武芸奨励を目的に戦国時代の1560年ごろに始まったとされ、現在は厄よけの春祭りとして継承されている。

 拝殿前の境内で、今年厄年を迎える男性や、神社総代らが10メートル先に掲げられた直径11センチの素焼きの皿を狙って矢を放つ。厄年の参加は菊池紘一さん(41)、菊池貴章さん(59)、河野辰也さん(60)。消防士の紘一さんは「矢を射るのは初めて。自分も伝統行事を引き継いでいきたい」と羽織はかま姿で弓を握った。

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