鳥栖監督「決断は間違っていなかった」 数的不利で痛恨AT失点…逆転負け喫し最下位低迷

鳥栖の川井健太監督がG大阪戦を振り返った【写真:徳原隆元】

鳥栖はG大阪戦でアディショナルタイムに失点

サガン鳥栖は4月14日、J1リーグ第8節でガンバ大阪と対戦し、後半アディショナルタイムに逆転を許して1-2で敗れた。前半41分にMF長沼洋一が先制点を挙げたものの、前半アディショナルタイムに同点弾、試合終了間際に勝ち越し弾と“あと数分”が守り切れなかった。チームは6戦勝ちなし(1分5敗)で最下位脱出ならず。苦境に立たされた状況で、川井健太監督は「決断は間違っていなかった」と話した。

ここ5試合で勝利から遠ざかっている鳥栖は相手にボールを保持されながらも、一発の鋭いカウンターでチャンスをうかがう。G大阪には何度も決定機を作られながらもしのいでいた前半41分、ロングスローから右クロスに反応したファーサイドのMF長沼洋一が頭で決めて先制。今季初ゴールで幸先よいスタートを切った。

だが、前半終了間際にゴール前でFW坂本一彩に押し込まれてしまい、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入後ラインを割っていたとして、ゴールが認められてしまった。嫌な流れで同点に追い付かれてしまうと、後半11分にはMF堺屋佳介がペナルティーエリア付近で相手FWウェルトンを倒してDOGSO(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity。決定的な得点機会の阻止)により一発退場。VAR介入後、PK判定はフリーキック(FK)へと変更となった。

指揮官は「あのFKでいろんな流れが変わるかなと思っていました」と、試合のターニングポイントだったと指摘。中央約16メートルの位置からFW宇佐美貴史が蹴ったFKはゴール左のきわどいコースに飛ぶも、GK朴一圭が右手一本の好セーブで危機を脱した。

数的不利に陥った鳥栖は無理に攻めずにしっかりとブロックを作って守りながら、カウンターでチャンスを狙う。川井監督が「このスコアをキープして、ラスト10分で勝負に出ようと」と話していたプラン通り、相手の猛攻に耐えながらも後半アディショナルタイムに突入した。

後半アディショナルタイム8分、一気に抜け出したFW横山歩夢が1対1でチャンスを作ったが、これを相手GK一森純のスーパーセーブに阻まれた。すると後半アディショナルタイム9分に勝ち越しを許して万事休す。

これで鳥栖は今季6敗目。勝ち点4で最下位に低迷している。敵地で勝利して立て直しを図りたかったが、指揮官は布陣等この日の決断に「今の選手にとってベストだと思ったので、決断は間違っていなかったと思います」と胸を張った。残り数分守り切れていれば……。チームにとってはダメージが残る1敗となってしまった。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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