「続日本100名城」小机城址でまつり 武者行列が出陣、小田原から風魔忍者も駆け付け

勇壮な武者行列。沿道は見物客であふれた=横浜市港北区

 戦国時代に小田原北条氏の勢力下にあったという小机城の歴史を伝える「小机城址(じょうし)まつり」が14日、横浜市港北区の小机城址市民の森など3会場で開かれた。武者姿の一行によるパレードや出陣式が披露されたほか、北条氏を陰で支えたとされる「風魔忍者」が小田原から駆け付け、迫力満点の殺陣で会場を盛り上げた。

 まつりは地元の城郷(しろさと)地区連合町内会と実行委員会の主催で29回目。コロナ禍での中断をはさみ、昨年は規模を縮小して4年ぶりに開催したが、今年はほぼ従来の形に戻した。

 JR小机駅一帯で行われたパレードには、約100人が参加。北条氏の家臣として小机城を守った笠原信為役は竹下幸紀区長が務めた。よろいかぶとに身を包んだ一行は、マーチングバンドや太鼓の演奏とともに1キロ近くを練り歩いた。

 市民の森に到着後は、合戦に繰り出す前の儀式である「三献の儀」など縁起を担ぐ出陣式を再現。小田原市観光協会の風魔忍者ショーでは、忍者刀や手裏剣による演舞が披露された。

 小机城は築城時期など未解明の要素が少なくないが、2017年に日本城郭協会の「続日本100名城」に選出されて注目度が高まった。実行委の牧義一委員長(85)は「小机城の存在を広く知ってもらえたらうれしい」と話した。

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