曙さん葬儀 格闘技デビューに導いた谷川貞治氏も参列「試合をしませんか?と言ったら…」

曙さんの葬儀に参列した谷川貞治氏

大相撲の元横綱でプロレス・格闘技でも活躍した曙太郎さん(享年54)の葬儀が14日、都内の斎場で営まれた。

約300人が参列した葬儀は故人の「明るく送ってほしい」との遺言を受け、日本とハワイのスタイルを合わせ、式場ではウクレレの演奏と歌が流れ、参列者はご焼香に代わりに献花する形で行われた。祭壇には浴衣姿に笑顔の曙さんの写真を中央に、両サイドに優勝額が置かれ、KONISHIKI(小錦)氏や武蔵川親方ら大相撲関係者や、武藤敬司、天龍源一郎、船木誠勝らから贈られた多くの花が飾られた。

式にはプロレス界からも諏訪魔や浜亮太、征矢学らが、格闘技界からはRIZINの榊原信行CEOや、元K―1プロデューサーの谷川貞治氏らが参列。曙さんに最初に格闘技参戦のオファーをし、2003年大みそかのボブ・サップ戦でのデビューのきっかけをつくった谷川氏は「闘病で入院されていたのは知っていましたが、残念な気持ち。感謝しかないです」と故人の冥福を祈った。

格闘技戦デビュー当時を「大みそかにK―1をTBSでやらせてもらって、当時はフジテレビと日本テレビも格闘技をやっていた。その中でK―1が一番ネタがなかったんです。それで横綱に『試合をしませんか?』と言ったら意外と即答で、その日のうちに決めてくれました。試合までは2か月とか3か月くらいしかなかったんですけど…」と振り返った。

当時人気絶頂のボブ・サップと曙さんの対戦はお茶の間の注目を集め、瞬間最高視聴率43%を記録し、数分間、紅白歌合戦を上回った。この偉業に感謝の言葉を述べつつ、谷川氏は「とにかく優しい人でした。サービス精神が旺盛で。ハワイアン特有の楽天さというか『なんとかなる』というのがあって、それで格闘技も挑戦したと思います」。

最後に「体も触らせていただいて『ありがとうございました』という気持ちを伝えました」と話し天を仰いだ。

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