「大事な年なんです」2軍で17イニング無失点! 左腕不足のソフトバンク1軍ブルペン、育成3年目24歳が見据える支配下5枠

4回、2番手で登板する三浦(撮影・永田浩)

◆ウエスタン・リーグ 阪神0―1ソフトバンク(14日、鳴尾浜)

ファームに〝新・ドクター0〟が誕生だ。ソフトバンクの育成3年目の左腕・三浦瑞樹投手(24)が14日、ウエスタン・阪神戦(鳴尾浜)の4回から2番手として登板すると、4イニングを無安打無失点に封じる完璧な内容を見せた。今年2月の宮崎キャンプでもB組スタートだった174センチのサウスポーは、今季のファームでこれが3試合目の登板だが、17イニングでいまだ無失点。四死球も5と、その制球力も抜群だ。

「ストレートの出力が、去年より上がってきているのかな、と思います。真っすぐでうまく勝負ができているので、そこに変化球で空振りとか内野ゴロという自分の持ち味が出て、それがいいのかなと思います」

この日の最速は144キロだが、スリークオーターからのクロスファイアで、右打者の内角にも大胆に攻め込んでいく。7回1死から四球の走者を許したが、続く阪神の右打者・井坪に133キロのチェンジアップを引っかけさせて二ゴロ併殺。110キロ台の緩いカーブは、一度浮き上がってから落ちるように見える変化の大きさで「カーブでカウントをしっかり取れるのも意識して投げているので、それがいいのかなと思っています。コントロールが自分の持ち味なので、コントロールミスをなくしていきたい」と自らの特徴もしっかりと踏まえた上で、この日の4イニングでもヒットを1本も許さない、クレバーな投球ぶりを見せた。

先月31日の阪神戦(タマスタ筑後)では先発して6回無失点。今月7日の中日戦(ナゴヤ)でも先発して7回無失点と、これで開幕以来、17イニング連続での無失点を継続中。「それをどう続けていけるか。もっとしっかりと投げて、しっかりとアピールしていきたい。アピールというのを、今年は一番自分でも求めていますし、今はそれができているんで、続けていきたいと思っています」

東北福祉大から22年の育成ドラフト4位でのプロ入り。育成契約で3年がたてば、ルール上はいったん自由契約になる。つまり、3年目が〝見極めの年〟になる。三浦も、シーズン中に25歳になるとあって「大事な年なんです」と危機感とは背中合わせ。支配下70人枠への空き枠、残り「5」。ただ、1軍のブルペンにこの日も左腕は1人だけ。そうした状況を合わせて考えれば、支配下昇格へのチャンスも、その力も十分に持った、昇格候補の一人なのは間違いない。開幕から無失点を続ける〝防御率0・00〟の左腕は「アピールできる結果を残していきたい」と言葉に力を込めた。

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