「借金を肩代わりしたことにしてもらえないか?」大谷翔平が水原一平容疑者による“衝撃の嘆願”を拒絶! 最後の対話での新事実を米報道

大谷翔平と水原一平容疑者が交わした“最後の対話”で新たな事実が明かされた。米紙『The New York Times』が伝えている。

いわゆる違法賭博スキャンダルが世界を席巻したのは、日本時間3月21日の未明だった。20日に韓国ソウルで行なわれたロサンゼルス・ドジャースvsサンディエゴ・パドレス戦の試合後、すでに米メディア『ESPN』などから追跡を受けていた水原容疑者はクラブハウスで監督や選手たちを前に「私はギャンブル依存症で巨額の借金を抱えている」と告白。そのうえで、大谷に約450万ドル(約6億7500万円)の借金を肩代わりしてもらっていると説明した。

しかしながら、大谷は英語でのスピーチだったため詳しい内容を理解できず、ホテルに戻ってあらためて水原容疑者と話し合いの場を持った。『The New York Times』紙は「これはその際の対話に詳しいふたりの人物の証言だ」と前置きしたうえで、次のように詳細を伝えている。

「彼らはホテルの地下にある会議室でふたりきりとなって向き合った。そこでミズハラは平身低頭しながら、ブックメーカーに莫大な借金があり、その返済のためにベースボールスターの金を盗んでいたと告げたのだ。そして自身の潔白と法律から自身を守るために最後の努力もしている。450万ドルの送金に関して、すでにチームメイトやESPNに話したのと同じストーリーに乗ってもらえないかと、オオタニに嘆願したのである」

つまり、大谷に直接「借金を肩代わりしたことに口裏を合わせてくれないか?」と頼んでいたのだ。同紙によると「オオタニはこれを拒絶し、ネズ・バレロ代理人をすぐに呼び出した。そして弁護士、危機管理担当者らもすぐに駆けつけ、信頼できる新しい通訳も同席する。ミズハラの妻もそこにいた」という。ドジャースは水原容疑者を即刻解雇し、大谷サイドは巨額の窃盗被害に遭った事実を公表。同紙は「ここからめまぐるしい3週間が始まった」と記している。

辻褄が合うのは、水原容疑者による“前言撤回”のタイミングだ。大谷に最後の嘆願を拒否される前、水原容疑者はESPNの電話取材を受けて「ショウヘイが借金を肩代わりしてくれた」「一緒にネットバンキングで送金した」と語っていたが、やはり虚言だったことが裏付けされた。自ら仕立てたストーリーは大谷の拒絶によって断ち切られ、翌日ESPNに「昨日の発言は嘘だった」と訂正せざるを得なくなっていたのだ。
現地4月13日、米ロサンゼルスの連邦検察から銀行詐欺罪で訴追されていた水原容疑者は裁判所に出廷。訴状によると水原容疑者は大谷になりすまして銀行を欺き、1600万ドル(約24億5000万円)を超える巨費を口座から送金していた。当初送金額は「少なくとも450万ドル」と報じられていたが、なんと実際はその3倍を上回る額だったのだ。違法賭博による純損失額が4068万ドル(約62億円)に達していた事実も公開され、日米のファンやメディアを驚かせた。

出廷後にほどなくして保釈金2万5000ドル(約380万円)で保釈を認められた水原容疑者。さらに保釈の条件として、パスポート返納、今後いかなる賭博も行なわない制約、ギャンブル依存症の更生プログラムへの参加義務のほか、許可なくカリフォルニア州の特定地区から外に出ることと、大谷との接触禁止も言い渡されている。5月9日の次回法廷で罪状認否が行なわれる予定だ。

構成●THE DIGEST編集部

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