『アクマゲーム』間宮祥太朗の“曇りなき眼”の説得力 照朝、初、悠季に三角関係の兆しも

主人公・織田照朝(間宮祥太朗)が自らガドを召喚し「アクマゲーム」を始めることになった『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)第2話。

照朝の“悪魔の鍵”を狙う新たな刺客は、総合格闘家の兵頭猛(栄信)だ。今回のゲームは、互いの影を踏み合う「映影頭踏~Shadow Step~」。ゲーム会場は照朝と親友の初(田中樹)、悠季(古川琴音)が通っていた中学校で、閉鎖空間内のフィールドで相手の影の首から上の部分を踏めば1点獲得。先に2点先取した方の勝ちとなる。相手はプロの格闘家、流石のフットワークの俊敏さについていけず苦戦するが、照朝は3人の思い出の記憶を辿り、難局を切り抜け1対1の同点に持ち込む。

しかし3戦目の最終決戦は影が全くできない真っ暗な体育館内。ここで「アクマゲーム」を始めた方にだけ授けられる“悪魔のチカラ”「1分間の絶対固定(リミテッド・パーフェクト)」を発動。どんな物体でも1分間だけ固定できるこの力を使って、緞帳のハンドルを固定。ハンドルを支えるロープを切り、兵頭をちょうど緞帳の下に1分後におびき出し俊敏な動きを封じようとした。しかし、計画に勘付いた天才ギャンブラーの上杉潜夜(竜星涼)がロープを固定し、緞帳は降りてこず番狂わせに遭う。絶対絶命のピンチの照朝を救ったのは初と悠季の体当たりの制止で、彼に軍配が上がった。

初回の対戦相手・丸子(須賀健太)の時と同様に、照朝が提示していた条件は、“悪魔の鍵”についての情報提供と「相手の命を自由にする権利」。

売り言葉に買い言葉で「俺の命なんてくれてやる」と口走った丸子の言葉をガドが要望に上書きしたことに気づいた照朝は、今回は兵頭の条件反射的な発言の後で上記を追加し、その上で彼を生かすことを要望した。

「人間というのは2種類いて、自分のために勝つ奴と赤の他人のために負けて全てを失う奴」とは兵頭の言葉だが、照朝たち親友3人の戦い方は必ずしもそうではないことを見せてくれているかのようだ。亡き父・清司(吉川晃司)の命を奪った崩心祷(小澤征悦)に近づくために“悪魔の鍵”を集めるしかない照朝は、“復讐したいというのも欲望かもしれない”と自問自答していたが、「金も女も力も思うまま」にしたいがために“悪魔の鍵”を得ようとしている兵頭とは全くベクトルが異なるだろう。

さらに、照朝は兵頭に「本当は表舞台に戻ること」こそが自分の望みではないのかと問うていた。人の欲望を手玉に取って利用しようとばかりする崩心しかり潜夜と、相手にその欲望の裏にある自身の本音に目を向けさせようとする照朝。後者は亡き父の秘書・岡本(橋本じゅん)が言った「欲望もそれを生み出す道具もただここにあるだけ」ということを照朝がまさに体現していた。照朝役を演じる間宮祥太朗の真っ直ぐで強い眼差しが、相手に自分の本音から逃げずに向き合うことをより促す。兵頭が苦し紛れに「清廉潔白みたいな顔しやがって」とこぼすしかない、間宮扮する照朝の目標がブレない“曇りなき眼”が説得力を宿す。

次の対戦相手は天敵の潜夜であり、崩心はよりにもよって清司亡き後、会社を乗っ取った張本人である現会長の宮ノ内の元に“悪魔の鍵”を1本落とした。また、変わらぬ友情を確認し合った照朝と初と悠季だが、初が経営する会社への融資がなかなか思うように決まらないという局面におり、なんだか喉から手が出るほどほしくなってしまう“欲望”の種を持っているのは、実は照朝の身近な人という展開が待ち受けていそうだ。さらに照朝と初と悠季の間には三角関係の兆しも見られており、これが3人の関係を切り裂くことに発展しないことを祈るばかりだ。

(文=佳香(かこ))

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