杉咲花×若葉竜也の名コンビ再び 『アンメット』が“間違いない”と断言できる3つのポイント

“記憶障害”を題材とした物語は数多く存在する。そのため、ある程度の知識を持っている人は多いはずだ。最近だと、映画『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022年)や、ドラマ『たとえあなたを忘れても』(ABCテレビ・テレビ朝日系)など。同じ記憶障害を持っていたとしても人によって症状が異なるため、この病は正しい理解を得られにくかったりする。

4月15日にスタートするドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系/以下『アンメット』)の主人公・川内ミヤビ(杉咲花)も、記憶障害を患っている。彼女の場合は、過去2年間の記憶がすべて抜け落ちてしまっており、新しい記憶も1日以上は留めておくことができない。つまり、朝起きたらすべてがリセットされてしまうのだ。

■ミヤビ(杉咲花)は視聴者に希望を届ける存在に?

本作の予告を観て、筆者が「めずらしい」と感じたのは、記憶障害を題材とした作品にもかかわらず、それ以外の題材がウェイトを占めているところ。原作漫画では、主人公が三瓶友治(若葉竜也)だから……というのもあるのかもしれないが、ミヤビが記憶障害を患っているという部分にスポットを当てすぎるのではなく、丘陵セントラル病院で脳外科医として働いている部分にも重きを置いているのが本作の個性のひとつ。ミヤビは、自分の人生だけでなく、脳の病を抱えた患者の人生とも向き合っていくことになる。

たとえ、過酷な病と戦っていたとしても、それがミヤビのアイデンティティのすべてではない。アンメット(=満たされない)な部分があっても、わたしたちは一つひとつの光を手繰り寄せて生きていかなければならない。葛藤を抱えながらも、「私には今日しかない。今日できることを精一杯やろう」と決意して前向きに生きているミヤビは、視聴者にとって“光”のような存在になってくれるはずだ。

■『おちょやん』コンビの再タッグにも期待

そして、ミヤビに大きな影響を与えるであろう三瓶を、若葉竜也が演じるというのも、注目したいポイントのひとつだ。若葉は、杉咲花がヒロインを務めた連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)で、千代(杉咲)の初恋の人・小暮さんを演じていた。2人の恋が成就することはなかったが、千代を最後まで深い愛情で包み込んでいた姿が印象深い。その後、再共演した映画『市子』(2023年)でも恋人役を演じていたが、またもや結ばれることがなかった杉咲と若葉。『アンメット』では、どのような関係を築いていくのだろう。

名コンビ復活のほかにも、本作には井浦新や吉瀬美智子、千葉雄大に岡山天音と豪華キャスト陣が大集結する。杉咲と名役者たちの演技合戦を見られるのも楽しみだ。

■あいみょん主題歌ドラマはハズレなし

また、本作の主題歌をあいみょんが担当することも発表された。これまで、『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)や、『コントが始まる』(日本テレビ系)、『らんまん』(NHK総合)など数々のヒットドラマを、素敵な楽曲で彩ってきたあいみょん。5月22日にCDリリースされる「会いに行くのに」も『アンメット』の世界観に寄り添い、ミヤビの背中を優しくさすってくれるような1曲になるはずだ。

魅力的なキャラクター、素晴らしい役者陣、そして世界観に寄り添う楽曲と、ドラマのヒットに必要なピースがすべて揃っている『アンメット』。名作誕生の瞬間をリアルタイムで追うことができるのが、楽しみでならない。

(文=菜本かな)

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