旧ジャニーズとの〝分離〟進まぬSTARTO社 テレビ局のタレント起用に大きな障壁

「SMILE―UP.」の東山紀之社長。STARTO社とは〝無縁〟のはずだが…

新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が10日の東京ドーム公演で華々しくスタートした。

28組295人のタレントが新会社と契約。そのうち13組のアーティストが東京ドーム公演に出演し、ファンを沸かせた。これを機に旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.)の一連の騒動からの脱却を図り、新たに歩み出したいところだろうが、厳しい状況に変わりはなさそうだ。

ある芸能プロ関係者は「NHKやフジテレビ、テレ東などが今も距離を置いたままです。今回、新会社をスタートさせたからと言って『ハイそうですか』とすぐに元に戻るとは考えにくい」と指摘する。

特にNHKはレギュラーの8番組を終了させるなど、断固たる姿勢を示している。

「新規起用の条件として被害者への補償の進み具合や、SMILE―UP.と新会社の分離などの確認が必要としています。ところが『ファミリークラブ』の会員規約にはまだSMILE―UP.がファンクラブを運営することや、SMILE―UP.が定める入会金や年会費を支払うことが明記されている。新会社はファンクラブの経営の分離をどう行うか明らかにしていないので、今のままでは難しいのでは」(同)

もちろんSTARTO陣営も手をこまねいているわけではない。テレビ局関係者の話。

「地方ではNHKの存在が大きく、同局に出演できないというのは相当痛い。STARTOの福田淳社長もそのことはよく理解しているようで、NHKとの折衝に乗り出しているそうです」

それでも現段階での劇的な変化は期待薄だという。

「エンターテインメントの現場では、やっぱり番組作りにSTARTOのタレントが欲しいという声はあるようですが、報道局が強いNHKではまだ厳しいでしょう。先日、BBCの記者が会見で『SMILE―UP.』の東山紀之社長の対応を批判していたように、そう簡単にはいきそうにありません」(前出の芸能プロ関係者)

新会社が軌道に乗るのはいつになるのだろうか。

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