安藤ハザマ/山岳トンネル仮設備の遠隔管理、濁水処理とコンクリ製造の2システム

安藤ハザマは山岳トンネル工事の生産性向上策を一段と強化する。現場に設ける多種多様な仮設備の運転や管理を省人化・省力化するため、ICTを取り入れた二つの遠隔管理システムを開発した。対象は濁水処理プラントの遠隔管理システム「T-ds(ティーダス)」と吹き付けコンクリート製造プラント用の「C-ds(シーダス)」。両プラントでクラウドを利用したデータの一元管理や運転の遠隔操作、自動化などを実現し、作業員の手間や時間を減らす。
12日に発表した。カナモト(札幌市中央区、金本哲男社長)との共同開発になる。
安藤ハザマによると、山岳トンネル工事の現場ではさまざまな仮設備が配置される。現場で発生する濁水を浄化し排水用または工事用に再利用できるようにする処理プラントと、トンネル工事用の吹き付けコンクリートを製造するプラントは多くの仮設備の中でも重要性が大きい。
ティーダスは水質や薬品量を遠隔から瞬時に確認でき、薬品添加量を濁水性状に応じ適切に自動調整する。シーダスは材料の使用状況や配合設定などを遠隔から瞬時に確認でき、作業員のタブレット端末から吹き付けコンクリの練り混ぜ作業を遠隔操作できる。
二つのプラントは安定的に運転するため専任の作業員を置く必要がある。ただ掘削作業に合わせ材料搬入やコンクリート出荷に対応するため、プラントを運転させるタイミングが一定せず待機時間も多い。ティーダスやシーダスの導入により省人化・省力化を後押しする。
ティーダスとシーダスは岩手県で施工している「一般国道107号大石地区道路災害復旧(トンネル築造)工事」で試験運用中。今後はさらなる高度化や導入現場の拡大を目指す。

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