衆院東京15区補選 候補者乱立でイメージカラー〝かぶり問題〟が深刻化

ボート遊説を行った秋元氏

衆院東京15区補選(16日告示、28日投開票)は9人の候補者が立つ大混戦模様だ。各陣営には選挙戦で戦うイメージカラーがあるが、9人となったことで〝かぶり問題〟が深刻化している。これまでは色によって遠目でも判別できていたが、不可能になってしまった。

補選には立憲民主党の酒井菜摘氏、日本維新の会の金沢結衣氏、参政党の吉川里奈氏、日本保守党の飯山陽氏、つばさの党の根本良輔氏、参院議員で無所属の須藤元気氏、ファーストの会が推薦する乙武洋匡氏、NHKから国民を守る党の福永活也氏、そしてカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で収賄などの罪に問われ1、2審で実刑判決を受けた無所属で元衆院議員の秋元司氏(上告中)が出馬を表明している。

14日に江東区内でボート遊説を行った秋元氏は、出発前に〝イメージカラーのかぶり問題〟に直面していることを明かした。これまで長年にわたって同選挙区は秋元氏と、公選法違反で有罪判決となった柿沢未途氏が争ってきた。イメージカラーは秋元氏がグリーン、柿沢氏がオレンジで、街頭演説や街宣車を走らせていても、ひと目でどの陣営か判別できていた。

ところが今回は9人の大乱戦。それでなくても秋元氏はグリーンの維新とかぶっていたところ、小池百合子都知事の支援を受ける乙武氏も直前に出馬表明。小池氏のイメージカラーはグリーンで、乙武陣営もグリーンに染まっている。

秋元氏は「私は昔から緑でやらせてもらっていたが、小池さんもなんか緑ということで、今までは選挙区が違ったから関係なかったが、もうかぶっちゃう」と困惑の色を隠せない。

ほかにも国政選挙に初参戦となる作家の百田尚樹率いる保守党はブルーをイメージカラーとし、街宣車の名前も「ブルーサンダー号」と命名している。立憲のイメージカラーもブルーで、有権者からは遠目では見分けがつかないとの声が出ている。

秋元氏は「参政党がオレンジ色で、街頭ですごい活動をしている。オレンジの柿沢氏がいなくなってしまったら、またオレンジが来た」と苦笑い。ボート遊説で着用するライフジャケットは最初、オレンジ色だったが、参政党や柿沢氏と勘違いされるのを懸念し、違う色に変えてもらった。

すでに事実上の選挙戦に突入し、各陣営はフル回転。街中はカラフルな色合いになっているが、かぶり問題は解決しそうにない。

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