福井県内主要企業69社、2025年春の新卒採用計画 66%が24年新卒者の初任給アップ

【福井県内主要企業アンケート】初任給引き上げ額は?

 福井新聞社が福井県内主要69社に実施した新卒採用アンケートで、2024年新卒者の初任給を「引き上げる」と回答した企業は66.7%の46社で、前年から22.4ポイント増加した。引き上げ幅の上限は5001~1万円が23社で最も多く、最高は4万円だった。売り手市場での新卒確保に向けた一環とみられ、ほかにも採用スケジュールの早期化や、9割以上の企業が実施したインターンシップ(就業体験)などの取り組みが目立った。

 初任給の対応について、据え置きは23社(33.3%)。「引き下げる」との回答はなかった。

 初任給を引き上げた46社をみると、上限は5001~1万円に次いで5千円以下が7社(15.2%)。1万1~2万円が6社(13.0%)、2万1円以上は2社(4.3%)。未定・無回答は8社(17.4%)だった。物価高を背景とした賃上げ傾向に加え、人手不足への危機感から若手人材の採用力強化に取り組む姿勢がうかがえる。

 また、25年卒の採用スケジュールに関し、面接やテストを行う本選考の開始時期について尋ねたところ、「3~5月」が最多の37社(53.6%)、「1~2月」が15社(21.7%)、「前年秋冬」が10社(14.5%)、「前年夏」が5社(7.2%)となった。採用活動に関する政府ルールは本選考の開始時期を6月1日以降としているが、「6月以降」としたのは2社(2.9%)と昨年よりも2社減り、採用の早期化は一層強まっている。

⇒【一覧】福井県内主要企業69社、2025年春の新卒採用予定人数

 25年卒の採用に向け、23年中にインターンシップを実施した企業は64社と9割を超え、大学3年生対象のインターンは“必須”となっている状況。25年卒から「開催日数5日以上」「日数の半数以上は職場体験」などの条件下でインターンシップと採用の連携が可能となったが、開催日数は「1~2日」の30社(46.9%)が最多。「5日以上と5日以下の両方実施」も26社(40.6%)に上り、対応が分かれている。

 5日以下の企業に理由を尋ねると、「5日以下でも相互コミュニケーションは可能」が22社(64.7%)で最多。「職場体験を準備できない」15社(44.1%)、「人事スタッフの不足」11社(32.4%)との回答も目立ち、インターン開催が中小企業の負担になっている側面も垣間見える。「学生側に5日以上のニーズを感じない」も12社(35.3%)あった。

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