元NHKアナ雨宮萌果さん 母親の「サーモン寿司ケーキ」の思い出と局アナ時代のお昼事情【私のおふくろメシ】

雨宮萌果さん(提供写真)

【私のおふくろメシ】

雨宮萌果さん(フリーアナウンサー/37歳)

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元NHKアナウンサーの雨宮萌果さんのおふくろメシはサーモン寿司ケーキ。料理上手な母親は今でも行事のたびにお祝いのメニューを作ってくれるという。NHK時代のお昼事情も聞いた。

サーモン寿司ケーキにもいろんな形がありますが、母親の作るものはホールケーキの形でした。基本的に来客が多い日に出てましたね。

寿司ケーキが真ん中にドンとあると、食卓が賑わうので子供ながらにワクワクしていました。

家族それぞれの誕生日会とかお客さまがいらした日にはサーモン寿司ケーキが多かったかなと思います。

まず大きなボウルにスモークサーモンと生ハムを敷き詰めます。うちはその2つを放射線状にします。

断面がミルフィーユ状の層になるように酢飯、スライスしたキュウリやシソ、そしてまた酢飯、生サーモン、酢飯、錦糸卵、酢飯と重ねていきます。もちろん途中で上から押します。食べる時にカットしたら断面がきれいになるように。

よくてっぺんをサーモンでお花の形にする寿司ケーキもありますが、うちはシンプルな平ら。よく見かけるサーモン寿司ケーキのシンプルな形です。

ポイントは断面がキレイになるように重ねること。カットした時に横側がキレイなミルフィーユ状だとみんなが笑顔になりますから(笑)。

私が4、5歳の時にはもう作ってくれてましたね。もっとも遠い記憶では、幼稚園のお友だちが遊びにきた時に出してくれたら、友だちがすごく喜んでくれたこと。私は作ってくれた母親が誇らしくもあり、うれしかったですね。

それ以来、「サーモン寿司ケーキ作って!」とリクエストするようになったと思います。それで母親もお祝いごとやお客さんが来たら、頻繁に作ってくれるようになったのかなと。

母親は行事が大好きで、お正月のお節料理は3日前から仕込みますし、節分には恵方巻きとかいろんな行事にまつわる料理を必ず作ってくれます。

とにかくマメで、先月のひな祭りの日に家族が集合した際には、ひな人形も飾って、ハマグリのお吸い物とチラシ寿司を料理してくれました。

ひな祭りのお祝いは毎年行っています。家族には小さい子、もう誰もいないのに(笑)。クリスマスにも家族が集まり、チキンを丸々1羽焼いたりもしますし。

私は大勢が集まる時には手伝いますよ。例えばお節料理での母親は豆をすべて水で戻し、きんとんを裏ごしし、ダシを一つ一つとるんです。

いつか私も作るために間近で見ていますが、細かいレシピは覚えられませんねえ。どちらかといえば食べる方が中心なのかも(笑)。

NHK時代によく利用した「喫茶丸コア」

振り返れば局のアナウンサー時代は忙しくて作る時間はなかったですね。お昼はどこで食べていたかというと、NHKには食堂が2つに中華料理店がありましたが、私がよく行っていたのは「喫茶 丸コア」。

食堂はカレーやラーメン、和食が多いのですが、「丸コア」は私の好きな洋食が多いんですよ。パンも好きですし、忙しくてあまり時間がない時はサンドイッチをよく食べに行ってました。

お昼時の食堂は座席の間隔も狭く混雑しますし、いろんな方がいらして休憩できない時もありますが、「丸コア」は喫茶なのでゆったりした造り。サンドイッチにも日替わりメニューがあり、私は一人で行って短い時間ゆっくりしてました。

これからは母親の料理を中心にちゃんと作れるようになろうと思います。実は母親のお節料理を作るところはノートにメモしてきましたし、動画にも撮っているんです。でも、メモや動画を参考に作り始めていなくて(笑)。

お節料理はまだハードルが高いので、まずはサーモン寿司ケーキから挑戦したい。私はまだ作ったことがないんです。

この取材をいただいた時に思い返したら、ここ何年かは食べてなかったので、紙面を母親に見てもらってまた作ってもらい、研究します。

母親は「自分の料理にホッとする」とよく言ってました。私もそんなホッとする料理を作れるようになりたい。

(聞き手=松野大介)

▽雨宮萌果(あめみや・もえか)1986年6月、兵庫県出身。2011年からNHKアナウンサーとして「あさイチ」などで活動。19年に退職後フリーアナに。「ウワサのお客さま」(フジテレビ系)にレギュラー出演中。

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