水原容疑者、損失62億円でも越えなかった「一線」に米敏腕記者が皮肉「彼は良い自制心を示した」

水原一平容疑者【写真:Getty Images】

水原容疑者が越えなかった一線とは

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手の通訳を長年務めた水原一平容疑者が12日(日本時間13日)、米ロサンゼルスの連邦地裁に出廷し、違法賭博への関与が報じられてから初めて公の場に姿を現した。11日(同12日)に銀行詐欺罪で訴追され、司法取引を行う方向で交渉中と米国の複数メディアが報じている。そんな中、米国の名物記者からは水原容疑者が越えなかった「一線」に皮肉交じりのコメントが寄せられている。

水原氏をめぐっては米ヤフースポーツが「イッペイ・ミズハラが銀行詐欺で正式に起訴され、ショウヘイ・オオタニとMLBの今後はどうなる?」との見出しが打たれた記事の中で、「これほどの巨額なお金を失い、絶望的になっていたミズハラが、どうして野球賭博を自制することができたのだろう?」と指摘。水原容疑者が2021年12月から2024年1月までの間に1万9000回もの賭けを行っていたと紹介した。

日本の国税庁にあたる内国歳入庁(IRS)の報告書で「記録には野球の試合への賭けは示されていない」とされていたという。記事では「しかし、どうやって? これはとても奇妙だ。現実から遠く切り離され、無謀な行動をとっていた人が、どう規律を保ち、一線を越えずにいられたのか?」と驚きが記されていた。

水原容疑者が野球賭博には関わらなかったことに関しては、米ニューヨーク・ポスト紙の敏腕記者ジョン・ヘイマン氏もXで反応している。「みんなが通訳のイッペイを抹殺しようとしているが、これだけは言ってあげよう:彼は野球には賭けない良い自制心を示した」と、皮肉交じりに注目していた。

水原容疑者は2021年9月から賭博を始め、2年余りの間に総額4067万8436ドル(約62億3320万円)の損失を出したとされている。既に一大スキャンダルになっているが、仮に野球賭博に関わっていれば更なる非難は避けられなかったと見られる。

THE ANSWER編集部

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