G大阪20歳FWはパリ五輪世代の“秘密兵器”になれるか「食い込んでいきたい」

坂本一彩が鳥栖戦で同点ゴール(写真は2022年)【写真:産経新聞社】

G大阪は坂本一彩の活躍で逆転勝利

ガンバ大阪は4月14日、J1リーグ第8節でサガン鳥栖と対戦し、2-1の劇的な逆転勝利を飾った。前半41分に先制を許したものの、前半終了間際にはFW坂本一彩の今季初ゴールで同点。相手に退場者が出て数的有利になった後半アディショナルタイムにはDF三浦弦太が勝ち越し弾を決めて5試合ぶりの勝利を手繰り寄せた。勝利に貢献したパリ五輪世代20歳の坂本はここからゴールを量産できるのか、期待が懸かる。

G大阪は直近2試合で今季初の連敗を喫し、ホームに鳥栖を迎えた。ボールを保持しつつも仕留めきれずにいた前半41分に先制点を許してしまう。だが、1点ビハインドでの折り返しが濃厚かと思われた前半終了間際、ゴール前の混戦で坂本が押し込んで同点に。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入を経てラインを割っていたとして、ゴールが認められた。

「取り消しになるだろうなというふうに思っていた」と本人は苦笑いだったが、今季初得点に「嬉しいですね。最後ちょっとぼてぼてのシュートになりましたけど、結果ゴールになって良かったです」と胸をなでおろした。

さらに後半11分にもチャンスを演出。坂本は絶妙なスルーパスを前線のFWウェルトンに通すと、ウェルトンを相手MF堺屋佳介がペナルティーエリア付近で倒してDOGSO(Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity。決定的な得点機会の阻止)により一発退場。数的有利の状況を作り出した。

「自分はボールを持ってから良さが出る選手だと思う。ゴールにつながるようなプレーが出来たのはすごくポジティブ」

試合終了間際のアディショナルタイムにはDF三浦弦太が勝ち越し弾を挙げて、劇的勝利。20歳の活躍もあり、貴重な白星を掴むことができた。

坂本は継続的に年代別代表に招集され、パリ五輪世代として期待されてきたストライカー。現在カタールでパリ五輪最終予選を兼ねたU-23アジアカップに臨む大岩ジャパンが本大会の切符を手にした場合、ゴールを量産していれば逆転のメンバー入りも夢ではない。

「五輪はU-20ワールドカップ(W杯)が終わって次に目標にしていた舞台。そこに食い込んでいきたいというのはもちろんありますし、でも1点じゃ満足できないし、もう本当に分かりやすく、結果をどんどん残していかないと入っていくのは本当に厳しい。数字というところはすごくこだわりたい」

この日は惜しくもオフサイドになって追加点を取り損ねたシーンもあった。本大会まで爆発的な活躍を見せ秘密兵器になれるか。それほどの“ケチャドバ”にぜひ期待したい。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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