松山英樹は38位終戦「優勝できなかった以外なにもない」 オーガスタワーストだった“54.1%”

38位タイに終わった松山英樹。ショットの精度に不満を残した(撮影:GettyImages)

<マスターズ 最終日◇14日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>

フェアウェイヒットはパー4を除く14ホールで5回(35.7%)。「よく曲がりましたね」。松山英樹にとっても、今年の「マスターズ」最終日はそんな印象が残る一日だった。1番は左ラフの木の根元、2番も左の松林のなかと、ティショットが左へ左へと飛ぶなか、序盤はなんとかパーオンしてしのぎ続けた。

6番でボギーを打った後の7番パー4は、今度はドライバーショットが右に曲がりロープ外へと転がっていく。セカンドショットでは、目の前に立ちはだかる松の木、そしてその枝の間、縦2ヤード、幅3ヤードほどのわずかなスペースを通してグリーン右まで運ぶ妙技でしのいだ。「よく曲がるので慣れてます」と話すプレーで拍手を浴びたが、その後もピリッとしない時間が続いた。

9番でようやくバーディを奪っても、10番ですぐに失うといった展開。かみ合わなさも目につく。「14番くらいですかね、良かったのは」と、苦しんできたティショットでいい感触を残したこのホールも、2打目でグリーンを外すと、1.5メートルのパーパットがカップに蹴られボギーになってしまう。「苦しいゴルフでしたね」。こうつぶやくよりほかない。

今年は2月の「ジェネシス招待」で優勝。その後も12位、6位と続き、先週も7位といい状態で2度目のグリーンジャケット獲りに挑んでいけるようにも思えた。ただ、開幕前に臨んだ会見では「ゴルフの内容には納得していない」という言葉も。アンダーパーは「71」だった第3ラウンドのみ。本調子とはほど遠かった。

ただ、優勝した2021年大会と比較すると、確かに最終日は大きく数字を落としたものの、4日間のフェアウェイキープ率は3年前が64.3%で今年は62.5%と、そこまで決定的な差はない。むしろその差が開いているのは、21年は69.4%で全体7位につけたパーオン率で、今年は4日間平均54.1%だった。この数字は過去12回の出場のなかでワースト。アプローチやバンカーショットを強いられる場面も目立った。

トータル7オーバー・38位タイという結果で今年のマスターズは終了した。この成績についても「それなりの順位だったというだけの話。優勝できなかったという以外、なにもない」と話すだけだった。収穫についても「ないです」と切り捨てる。

大会2勝目は逃したが、この後も「全米プロ」(5月16日~)、「全米オープン」(6月13日~)、「全英オープン」(7月18日~)と毎月メジャー大会は続いていく。この3大会では初のタイトル獲得を目指すことになる。

ただ、今は「その前に試合があるので、そこに合わせていけるように」ということに意識を集中。「自分のなかでとどめているので、誰かに言うことではない」と話す課題修正を急ぐ。(文・間宮輝憲)

【松山英樹・マスターズでのパーオン率(4日間平均)】
11年:63.9%(27位)
12年:56.9%(54位)
14年:66.7%(予選落ち)
15年:69.4%(5位)
16年:59.7%(7位)
17年:70.8%(11位)
18年:65.3%(19位)
19年:63.9%(32位)
20年:69.4%(13位)
21年:69.4%(優勝)
22年:55.6%(14位)
23年:61.1%(16位)
24年:54.1%(38位)
※カッコ内は最終順位

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