ドローン大手DJIが自動運転ソリューションを提供、300万円のガソリン車でも無人ナビゲートが可能に

ドローン大手のDJI基礎的な自動運転の普及にソリューションを提供し始めた。

自動運転は電気自動車(EV)を購入する際の重要な考慮指標になりつつある。統計によると、中国の消費者が車を購入する際に考慮する要素として、自動運転関連機能は2021年には14位だったが、23年には5位にまで上がった。

ファーウェイ(華為技術)、小鵬汽車(Xpeng)、百度(バイドゥ)などの自動運転の先進企業が最先端の自動運転技術において激しく競争している一方で、ドローン大手のDJI(大疆創新科技)はそれに反して、基礎的な自動運転の普及にソリューションを提供し始めた。

3月17日の中国EV百人会フォーラムで、DJIオートモーティブ(大疆車載)はガソリン車、ハイブリッド車、EVのすべてに対応する「油電同智(ガソリン車にEV同様のインテリジェントソリューションを)」の概念を打ち出した。つまり、ガソリン車ユーザーにも先進的な自動運転ソリューションを提供し、ガソリン車でもEVと同じ自動運転体験ができるようになる。

すべてのユーザーに安全かつ快適な外出体験を提供へ

過去2年間のデータを見ると、中国では30万元(約600万円)以上のEVでは運転支援システムの搭載率はほぼ100%に近づいているが、20万元(約400万円)以下のEVとほぼすべてのガソリン車では搭載率はゼロに近い。

すべての車種に運転支援システムを搭載するために、DJIオートモーティブは7V+32TOPS運転支援ベーシック版、7V+100TOPS運転支援アップグレード版という2種類のソリューションを発表した。

ベーシック版の7V+32TOPS(七つのカメラ+32TOPD計算能力)の運転支援システムは基本的にガソリン車を含むほとんどの車種の高速道路NoA(Navigate on Autopilot)、自動駐車などの基本的な運転支援機能を実現できる。このシステムのコストは5000元(約10万円)程度だ。

アップグレード版の7V+100 TOPS(七つのカメラ+100TOPD計算能力)の運転支援システムは高精度地図に依存しない都市NoAを実現できる。このバージョンのコストも7000元(約14万円)程度と高くなく、ガソリン車にも適用されている。

NoAは応用シーン別に高速道路NoAと都市NoAに分けられる。高速道路の状況は比較的簡単で、23年の中国の乗用車の高速道路NoA浸透率は6.7%だった。都市道路の状況は比較的複雑で、都市道路NoAの浸透率は4.8%だった。

現在、宝駿の「悦也PLUS (Yep PLUS)」や奇瑞汽車(Chery)の「iCAR03」など、DJIオートモーティブの運転支援システムを搭載した車種は複数ある。また、今年の上汽フォルクスワーゲンの新型「ティグアンL」にはDJIオートモーティブの運転支援システムが搭載され、インテリジェント化の度合いが最も高いガソリン車になる見込みで、スマートコックピットの面でEVに匹敵するだけでなく、自動運転の面でも非常に優れたパフォーマンスを発揮する。

4月に開幕する北京モーターショーに登場する新型「邁騰(Magotan)」もDJIオートモーティブが提供する7V+100TOPSアップグレード版の運転支援システムを採用する。

今年、DJIオートモーティブの運転支援システムを搭載する車種は20種類以上となる見込みで、その中にはEVもガソリン車もある。(編集/CL)

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