大谷翔平の〝驚心臓〟一平騒動の事情聴取受けた当日に1号弾 ドジャースナインが大絶賛

【カリフォルニア州ロサンゼルス14日(日本時間15日)発】ドジャースの大谷翔平投手(29)は本拠地でのパドレス戦に「2番・DH」で先発出場し、ダルビッシュ有投手(37)と2度目の対戦をした。今季1号を放ったのは3日(同4日)のジャイアンツ戦で開幕から9試合、41打席目の自己ワーストだった。銀行詐欺容疑で訴追された元通訳・水原一平容疑者(39)の事件の影響と見られたが、その試合を含めて37打数16安打、打率4割3分2厘、4本塁打、7打点と全開。ドジャースナインがその鋼鉄のメンタルを解説した。

大谷が今季初本塁打を放ったのは3日(同4日)の本拠地ジャイアンツ戦の7回だった。実に自己ワーストの9試合、41打席目だった。大谷といえども自身の口座から当時450万ドル(約6億8000万円)を水原容疑者に不正に送金された影響が大きい、つまり、大谷のメンタルはユニコーンではなく普通の人間と考えられた。しかし、11日(同12日)の連邦地検の会見で2日(同3日)と3日に事情聴取を受けていたことが判明。そんな中で本塁打を放っていた。実際は鋼鉄のメンタルを持っていたのだ。

大谷のメンタルの強さで言えば、水原容疑者の訴追後のパドレス戦の初回に左中間に4号ソロを放ち、松井秀喜に並ぶ日本選手最多のメジャー通算175本とした。影響を自ら吹き飛ばした。

また、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は13日(同14日)に水原容疑者の違法賭博疑惑発覚後の舞台裏を詳細に報じた。ソウルで現地20日に行われた今季開幕戦後、大谷も含めたチームメートの前で、大谷に借金を肩代わりしてもらったと説明した。英語での説明を完全には理解できなかった大谷はホテルに戻った後に1対1で問いただしたという。その際に同容疑者からお金を盗んでいたことを打ち明けられ、周囲への説明に添うように頼まれたが、断って代理人を呼んだという。その席には水原容疑者の妻も同席していたという。そんな修羅場の翌日も初回に右前打、2回に右犠飛を放っている。

なぜ、こんな常人離れしたことができるのか。大谷に背番号17を譲り、妻のアシュリーさんがお返しにポルシェを贈られたことで知られるジョー・ケリー投手(35)はこう解説する。

「もしかしたら野球と私生活を切り離した方が簡単なんじゃないか…。選手が私生活の問題などを抱えながら素晴らしい活躍を見せたり、なんならいつも以上の活躍をすることが多くある。野球をしている方が簡単だ。(余計なことは)野球をしている時だけは考えない。考え方は人によって違うけど、プロのアスリートの多くはうまく切り離しているんじゃないかな」

大谷は打席では水原容疑者の問題を頭から消し去り、一球一球に普段以上に集中したことでバットで結果が出ているということだ。

また、ジェームズ・パクストン投手(35)は「コントロールできることだけコントロールし、前に進めることだけにフォーカスすること。必要のないことは置き去りにして、大事なこととともに前進すると言ったらいいかな」と語るとこう続けた。「プロセスに集中する。繰り返しルーティンに集中すること」

それだけではない。パクストンは「(ドジャースの)強いサポートシステム。これが一番大きいと思う。彼はきっと感じていると思う、僕らがサポートしていること、どんな時でも後ろに控えているよってことを」と断言した。

それぞれ口に出すことはなく、ドジャース全体のサポートも打撃好調につながっている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社