【J2「ダービー」】清水、左SB山原の粘りアシストからのFW北川のゴールで逃げ切りも「らしくない」課題が残る(2)

清水の左サイドをかけるSB山原怜音  撮影:中地拓也

■清水はアウェイで2点リードするが…

「超攻撃的」が、踏ん張った。

J2リーグ第10節が4月13、14日に開催され、13日、ここまで首位の清水エスパルスは10位のいわきFCのホームに乗り込んだ。

MF乾貴士、FW北川航也が4試合ぶりにスタメンに復帰し、前線は1トップに北川、2列目に右からルーカス・ブラガ、乾、カルリーニョス・ジュニオが並ぶ。今シーズンのファーストチョイスとなっているカルテットが、4試合ぶりに揃った。

試合はいきなり動く。清水が動かした。7分、自陣からのロングパスを、北川が左サイドで収める。ワンタッチ目で相手DFを置き去りにし、ボールを運びながら中央の押し上げを待つと、ゴール前へクロスを入れる。これをルーカス・ブラガがプッシュした。

1対0とした2分後、清水は追加点を奪う。右サイドで浮き球のパスを受けた北川が、DFをかわして左足でグラウンダーのクロスを入れる。フリーで走り込んできた乾が、難なくプッシュした。

早々にリードを奪った清水は、前線から規制をかける場面と、相手を自陣に引き込む場面を使い分ける。ペースを落としたわけではなかったが、リーグ2位タイの16ゴールをあげているいわきの反撃を受ける。22分、MF西川潤に鮮やかなワンステップシュートを決められ、リードは1点差となる。39分にはカルリーニョス・ジュニオが負傷交代を強いられた。リードは保っているものの主導権は自分たちの手にない展開で、前半が終了した。

■最後は5バックで逃げ切り

後半のキックオフ直後も、清水は自陣での攻防を強いられる。フィジカルバトルを全面に押し出す印象の強いいわきだが、ショートパスをしっかりとつないでビルドアップをしてくる。清水からすれば早くボールを奪いたいところだが、自陣で不用意なファウルをしない。冷静に対応していく。

慌てなければチャンスは来る。68分、敵陣ペナルティエリア内左で、諦めるない粘りで相手CBからボールを奪った左SB山原怜音が、ゴール前へ丁寧なパスをとおす。詰めていた北川が左足で押し込んだ。北川はこれで1得点2アシストだ。

秋葉監督は直後に交代カードを切る。北川と乾を下げ、MF西澤健太とMF西原源樹を送り込む。ルーカス・ブラガが1トップへポジションをあげ、2列目は右から松崎、西澤、西原となる。

77分には至近距離から決定的なヘッドを浴びたが、GK権田修一が弾き出す。しかし、直後の相手CKから失点してしまう。

秋葉監督はこのタイミングでDF吉田豊とFWドウグラス・タンキを投入しようとしていたが、再び1点差に詰め寄られたことでプランを変更する。87分まで待ってからCB蓮川壮大と吉田を送り出し、5バックに変更する。いわきの反撃を跳ね返してリードを守り切り、前節に続いて勝利をつかんだ。

秋葉監督は試合後のフラッシュインタビューで、「3点取ったのは素晴らしいですが、セットプレーを含めて2失点は我々らしくない」と振り返った。次節は5位のベガルタ仙台、その翌節は3位のファジアーノ岡山と、上位との直接対決が続く。そこでどれだけ勝点を取れるかは、清水の今シーズンに影響を与えていきそうだ。

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