中国家具市場が1兆元規模に 世界大手も注目

中国家具市場が1兆元規模に 世界大手も注目

8日、イケアのポップアップ展示会を見学する来場者。(上海=新華社記者/潘清)

 【新華社上海4月15日】スウェーデン家具販売大手イケアはこのほど、中国上海市でポップアップ展示会を行い、「低価格でプライスレスな価値を生み出す」という経営理念を示すとともに、中国市場を重視する姿勢を伝えた。

 イケアは中国を世界で最も重要な戦略的市場の一つとみなし、一連の投資を行っている。2024会計年度(23年9月1日~24年8月31日)の始めには、「生長+(プラス)」戦略に基づき、向こう3年で中国市場に63億元(1元=約21円)を投じて低価格を維持するための投資や販路の統合・最適化などを行い、アクセシビリティを向上すると発表した。今年2月には、価格維持への投資をさらに1億元以上追加することも明らかにしている。   

 イケアが注目しているのは中国の巨大で将来性のある家具市場である。中国建築材料流通協会が今年初めに発表したデータによると、23年の全国の一定規模以上事業者の建材・家具売り場での販売額は前年比33.5%増の1兆5500億元に上った。

 調査会社、艾瑞諮詢集団(アイリサーチ)は先ごろ発表した「2023年中国インテリア業界研究リポート」で、消費高度化や住宅需要の多様化、産業のデジタル化・スマート化が進む中、25年には中国のインテリア・家具市場の規模が5兆元に、30年には7兆元に膨らむと予測している。

 中国国務院は今年3月に発表した「大規模な設備更新と消費財買い替え推進行動計画」の中で、インテリア消費財の更新に言及した。業界ではこれについて、家具や家電など関連業界に大きなビジネスチャンスをもたらすとみている。

 イケア中国法人のポンタス・エルンテル社長兼最高サステナビリティ責任者(CSO)は、中国が質の高い発展を奨励する措置を持続的に打ち出していることに触れ、対中投資の継続に対する同社の自信を強めるとともに、中国市場での長期的で健全、持続可能な事業発展により多くの機会をもたらしていると評価した。(記者/潘清)

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