床の拭き掃除がぐんとラクになる【水拭きスティック掃除機】3選|家電のプロ・神原サリーさんおすすめ

ライフステージの変化や、体や心のゆらぎを日々実感するマチュア世代。そんな大人の暮らしをより豊かで快適にしてくれるアイテムを、家電のプロ・神原サリーさんがナビゲート。第11回は、「水拭きスティック掃除機」3点をご紹介します。

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ここ1~2年ほど、ゴミの吸引だけでなく、水拭き機能をあわせ持つスティック掃除機が続々と登場しています。神原さんによると、“家電界のトレンド” といえるほどの勢いがあるのだとか。

「大きなきっかけは、やはり新型コロナウィルスでしょう。コロナ禍に掃除への意識が高まったことや、ペットを飼う家庭が増えたことなどでニーズが増加した印象です」

水拭きはしたいけれど足腰への負担が気になるという、高齢者からも注目を集めているといいます。

「フローリングについた皮脂汚れなどを自分で水拭きしようとすると、腰が痛くなったり、腕が疲れたり。ウェットタイプのフローリング用掃除シートを使っている人も多いと思いますが、ランニングコストがかかるうえ、汚れ落ちという点では物足りなさを感じる場合も。水拭きスティック掃除機はもともと海外で人気のあったアイテムですが、そういった声を受けて、日本の家屋向けに開発されたモデルが次々に登場しています」

しかし、ひと口に水拭きスティック掃除機といっても機能はさまざま。選ぶ際には、どんな点に留意すればいいのでしょうか。

「水拭きをしながらゴミを吸引する、しないに始まり、アフターケアの面でもいろいろな違いがあります。そんな個性豊かなラインナップの中から暮らしに合う一台を選ぶには、どんな機能が欲しいのか、どんな使い方をしたいのかをしっかり考えることが大切です。

また、いずれのタイプにしろ汚水の処理は必ず自分でやらなければなりません。そういったことが面倒に感じないかも、ぜひご一考を。そのうえでもし可能なら、家電量販店の売り場で実機を試してみてください。

コンパクト化は進んでいますが、1kg台が当たり前のスティック掃除機に比べれば重さを感じると思いますし、水拭きした後の床の水分の残り具合も異なります。まだまだなじみのない家電。『せっかく買ったのに使いこなせなかった……』ということにならないよう、じっくり見て、試して選んでくださいね」

ハイアール「吸引式床拭き掃除機 MIZUKI(ミズキ)」

1台で水拭き、乾拭き、吸引の3役をこなす「MIZUKI」。「水拭きモード」と「ドライ吸引モード」を備えているのが特徴で、畳やカーペットといった水拭きができない床も、ゴミを吸いながら乾拭き掃除でしっかり拭き上げます。

「水拭きスティック掃除機で気になるのが、水拭き後の床の状態。生活様式の違いだと思いますが、海外向けのものは床に水分が多く残ってしまうことも多いんです。その点、『MIZUKI』は日本仕様。ヘッド部分に搭載されたモップローラーブラシの水分量を調節し、ジャストな供給水量で床を水拭きしながらゴミや液体、食べこぼしなどを吸引。掃除直後も余分な水分が残らない、気持ちのいい仕上がりを実現しています」

床上の汚れを吸い上げると同時に、モップローラーブラシに含まれた汚れた水も吸引するから、ヘッドは常に清潔。給水タンクには洗剤や温水を投入することもでき、落としにくい汚れも効率的に落とすことができる。ただし、泡の出る洗剤は使用できないので要注意。
畳やカーペットの掃除は「ドライ吸引モード」で。玄関の石タイル、洗面所の塩ビ床にも対応し、家じゅうの床を清潔に保つ。

重量は約4kgと、スティック掃除機に比べれば重いものの、自走式パワーヘッドが自動で前進するため取り回しはとてもラク。さらにラクなのが、セルフクリーニング機能です。

「使用後は、本体を充電スタンドに置いてボタンを押すだけ。汚れた掃除機内部やブラシを自動で洗浄したうえ、乾燥までしてくれるので、お手入れがとてもラクなんです。ブラシはワンタッチで取り外しもできるので、しっかり手洗いすることも可能です」

独自のセルフクリーニング機能を搭載。クリーニング後は、ローラーブラシをゆっくりと回転させながら乾燥をサポート。回転させることでブラシの毛が一定方向に偏ることも防ぐ。
しっかりお手入れしたいときには、ローラブラシカバーとモップブラシを取り外し、水洗いすることもできる。

「吸引式床拭き掃除機 MIZUKI」JC-M1A 全1色
サイズ:W261×D266×H1116㎜ 重量:4kg
集じん容量:0.6ℓ 給水タンク容量:0.6ℓ 充電時間:約4時間
運転時間:標準 約32分、パワー 約17分(満充電、バッテリーの初期状態、室温20度の場合)

2万7350円(編集部調べ)

ハイアールジャパンセールス ☎︎0120-865-812
https://www.haier.com/jp/cleaner/jc-m1a.shtml

アクア「水拭きフロアクリーナー WIPEL(ワイプル)」

4kg以上のものが多い水拭きスティック掃除機の中で、軽量、コンパクトなモデルが「WIPEL」です。

「水拭きのできない床材の吸引掃除、拭き掃除はできませんが、約3.4kgという軽量化を実現できたのはシンプルな構造だからこそ。日本の住宅環境に合わせたコンパクトなサイズ感も使い勝手がよく、パールホワイトのカラーはインテリアとも合わせやすいです」

4kg以上のものが多い水拭きスティック掃除機の中で、約3.4kgというのはかなり軽量。持ち運びがラクだから、いろいろな場所で使うことができる。

いつもの掃除はもちろん、ラーメンやおかゆ、割れた生卵など、固形物と水分が混ざったゴミを吸引しながら水拭きできるのも、「WIPEL」の大きな魅力です。でも、そういったものを拭くと床に汚れが引き伸ばされてしまいそうですが……。

「本体の給水カップから供給された水が回転ブラシを濡らし、汚れを拭き上げるのと同時にゴミや汚れた水を吸引。吸引したものは回収カップへ回収するという仕組みのおかげで、ブラシはいつもきれいな状態をキープ。汚れが引き伸ばされることがないというわけです。回収カップは取り外しができるため。ゴミや汚れた水も簡単に廃棄することができます」

牛乳に浸したシリアルも、あっという間に吸引&掃除が完了。専用洗剤と60℃までのお湯を給水カップに入れて使えるので、油汚れや皮脂汚れも簡単にオフ。
使用後は充電台にセットし、ブラシ洗浄ボタンを押すと、自動で回転ブラシの洗浄が完了する。
洗浄したブラシは、充電台に立てて乾燥を。

「水拭きフロアクリーナー WIPEL」 AQC-WX1P 全1色
サイズ:W260×D218×H1120mm 重量:3.4㎏
給水カップ容量:400ml 回収カップ容量:360ml 充電時間:約2.5時間
運転時間:強 約15分、標準 約30分(新品・満充電時)

2万9700円(編集部調べ)

アクアお客さまご相談窓口 ☎︎0120-880-292
https://aqua-has.com/product/wx1p/

ダイソン「Dyson V12s Detect Slim Submarine(ディテクト スリム サブマリン)」

水拭きのできるスティック掃除機の多くは、水拭き時に固形のゴミを吸い上げる吸引式と呼ばれるタイプ。一方で「Dyson V12s Detect Slim Submarine」は、水拭き時には吸引掃除をしない、拭き取り式と呼ばれるタイプ。ヘッド部分を取り換えることで、水拭き掃除、吸引掃除に対応します。

「ヘッドを取り換えるひと手間を面倒と感じる人もいるかもしれませんが、吸引掃除、水拭き掃除の能力はともにハイレベル。スティック掃除機として使う際の吸引力は、『さすがダイソン!』と言いたくなるほどパワフルですし、毎分約900回転するウェットローラーの拭き掃除力の高さも◎。給水タンクや汚水トレイを本体ではなく、ヘッド部分に集約しているので、小回りがきく点も使いやすい。ソファの下なども掃除することができます」

水拭き時に使用するウェットローラーヘッドに搭載された給水タンクの容量は、300ml。1度の給水で、約66畳分の拭き掃除ができるそう。希釈した家庭用洗剤や、重曹水をタンクに入れて使用することも可能です。

ローラー全体に毎分18mlの水が供給され、ウェットローラーを均一に濡らして床の汚れを吸着。ローラーについた汚れはステンレス製のスクレイパーでかき取られ、汚水トレイに排出。常にきれいな状態のローラーで掃除ができる。
目に見えないホコリも可視化するダイソンのクリーナーヘッド。本機に搭載のFluffy Optic™(フラフィオプティック)クリーナーヘッドは、従来品より2倍のホコリを独自の光で浮かび上がらせ、吸い取る。
ハンディタイプとしても使用可能。付属の毛絡み防止スクリューツールを使えば、髪の毛やペットの毛がブラシバーに絡むことなく吸引される。マットレスやソファなどの掃除に。

「Dyson V12s Detect Slim Submarine」SV46 SU 全1色
サイズ:H253×W257×D1129mm 重量:3.2kg(ウェットローラーヘッド装着時)、2.2kg(クリーナーヘッド装着時)
給水タンク容量:300ml 汚水トレイ容量:360ml 充電時間:3.5時間
運転時間:エコモード 約60分、中モード 約30分、強モード 約5分(いずれもモーター駆動のないツール使用時)

10万220円(編集部調べ)

ダイソンお客様相談室 ☎️0120-295-731(携帯電話からは☎️0570-073-731)
https://www.dyson.co.jp/vacuums/cordless/dyson-v12s-detect-slim-submarine.aspx


監修者
家電ライフスタイルプロデューサー 神原サリー

かみはら・さりー⚫︎年間1000点以上の家電をチェックし、その魅力を伝える家電のプロ。さまざまな商品を実際に使用したうえで発信する消費者目線の言葉は、家電への愛にあふれ、説得力バツグン。また、「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」姿勢に、メーカーの開発者やマーケティング担当者からの信頼も厚い。
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