松本戦に向けて練習するJ1福岡のウェリントン(右)と城後
来日12年目のブラジル人FWが満面の笑みを見せた。「いいことが聞けました」。アビスパ福岡が松本山雅に唯一勝った試合について記者が質問し、ウェリントンが思い出した時だ。
J1福岡は17日、サンプロアルウィンでJ3松本とYBCルヴァン・カップ初戦の2回戦に臨む。福岡と松本の対戦は全てJ2時代で福岡の1勝3分け8敗。長谷部監督体制でJ1昇格を果たした2020年もシーズン2敗を喫した。
「彼らの強みであるサポーターは12番目の選手と言っていいぐらいで圧倒される」。ウェリントンは特に松本のホームでのサポーターの後押しを一因に挙げた。
その中で唯一の勝利は17年。17日も戦う松本のホームだった。前半22分、左サイドから亀川が中央に切れ込んでマイナスのクロスを転がし、ウェリントンが右足で決めた。
「自分にとってポジティブですね。(J1で)神戸時代も松本さんから点を取ってますし。こうやって思い出しさせてくれてよかった。そうです、カメ(亀川)のクロスをダイレクトで決めることができました」
時は流れて福岡は前回王者として松本のホームに乗り込む。当時、絶対的なエースストライカーと不動のサイドバックとして〝唯一の勝利〟に貢献した2人は他クラブへの移籍を経て23年に帰ってきた。
「カメと、そういうことがまた起きれば、楽しみな場面になるんじゃないですか」。そう言ってまた笑みを漏らした。(向吉三郎)