木彫りに宿る生命力 「はしもとみお展-時を刻むいきものたち-」 小杉放菴美術館で開幕

自身の作品に座る彫刻家のはしもとみおさん

 【日光】生命力あふれる動物の木彫り作品で人気の高い、彫刻家はしもとみおさん(44)の企画展「はしもとみお展-時を刻むいきものたち-」が13日、山内の小杉放菴(こすぎほうあん)記念日光美術館で始まった。6月16日まで開かれている。はしもとさんの大規模展が県内で開催されるのは初めて。同館の迫内祐司(さこうちゆうじ)学芸員は「はしもとさんの生き生きとした作品を感じてもらいたい」と話している。

 はしもとさんは兵庫県出身。現在は三重県いなべ市にアトリエを構えている。動物たちのそのままの姿を木彫りにする肖像彫刻家として活躍しており、動物のぬくもり、息遣いまでも感じさせる作品が特長だ。

 同展は(1)いきものたちとの出会い(2)いきものたちへのまなざし(3)旅先での出会い(4)時をかける物語(5)これからの物語-の5章立てで構成。はしもとさんが幼い頃に出会い、わずか1カ月半で天国へ旅立った「ゴン」ら代々の愛犬や旅先で出会った動物たちの作品、学生時代に描いた絵画なども展示されている。モデルとなった動物たちと、はしもとさんの過ごした「時間」を軸に、大小の700点以上の作品を通じて制作活動の軌跡をたどる。同展は全国巡回しており、昨秋に山形県天童市で開催済み。ことし中に神戸市、静岡県三島市でも開かれる。

 午前9時半~午後5時(入館は4時半)。月曜休館。入館料は一般730円。5月11日には、はしもとさんによる「ライブ彫刻」と音楽を合わせたコンサートも開かれる。

 (問)同館0288.50.1200。

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