ツマ先上がりは引っかけやすい クラブを『2番手上げる』大胆さが必要だった!【スライサー必見】

スライサーはティショットで右に曲がり、2打目をツマ先上がりの傾斜から打つことになる可能性が高い。ツマ先上がりでは球が左に曲がりやすいことを考慮する必要があるが、打ち方だけでなく、番手選択も重要になると教えてくれたのは、宮里藍の父でありコーチの優氏だ。かつて世界一にも輝いた宮里藍は、厳しい傾斜からでもピンに向かって正確に打っていた。左へのヒッカケやショートなど、方向性のミスを減らすための方法を詳しく聞いた。

「まずは基本的なツマ先上がりの打ち方の確認です。左に曲がりやすいことを念頭に置き、1~4の手順でスイングを行います」。

1.グリップを短く握る
2.肩のラインは目標より右を向き、スタンスは少しオープンに構える
3.球の位置はスタンスの中央に置く
4.体重移動を抑えたスリークォーターショットで振る

「この基本を押さえたうえで、左へのヒッカケをなくすために重要なのが、『大きめの番手を持つ』こと。クラブを短く握り、スイングをコンパクトにするぶん、飛距離が出ないから当然だと思う人も多いでしょうが、理由はそれだけじゃない。番手がショートアイアンになればなるほど、ライ角はアップライトになり、フェースは左を向きます。ただでさえヒッカケやすいツマ先下がりで小さな番手を使えば、左へミスするリスクを上げるだけ。ですから、例えばグリーンサイドにOBや池などがあるときは、番手を2つほど上げて小さく振るほうが堅実です」

ここまでは打つ前に誰でも準備できる部分。ミスしやすい状況だからこそ、事前準備を怠らない人がスコアを作っていけるという。

「最後に打つときのポイントを一つ。通常のショットでは、フォローのときにヘッドのトゥが天を向くように手首を返しますが、ツマ先上がりでは手首の返しを抑えて、フェースが天を向くように振りましょう。左に振り抜くのではなく、飛球線上に直線的にヘッドを長く出すイメージです。これでも左へのミスを減らせます」

勾配がキツい状況では、シャフトを握るくらいの意識を持つことも必要だと優氏。どれだけ番手を上げるかの選択も含めて、大胆に考えたほうが迷いなく打てそうだ。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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