クレール・ドゥニ監督によるフランス映画『美しき仕事 4Kレストア版』、予告編&新場面写真解禁

映画『美しき仕事 4Kレストア版』場面写真(高画質)(C)LA SEPT ARTE ‐ TANAIS COM ‐ SM FILMS ‐ 1998

フランスが誇る孤高の映画作家クレール・ドゥニによる映画『美しき仕事 4Kレストア版』より予告編、新たに4Kレストア版の高画質な新場面写真が到着した。

2022年度発表されたSight&Sound「史上最高の映画」に堂々の7位にランクインし現在再評価の機運が高まる、フランスが誇る孤高の映画作家クレール・ドゥニによる映画『美しき仕事』。

『ムーンライト』(バリー・ジェンキンス)、『aftersun/アフターサン』(シャーロット・ウェルズ)が本作の影響を受けたと公言し、2019年度BBCによる「女性監督映画ベスト100」第4位、2023年度版TIME誌「過去100年の映画ベスト100」でも選出されるなど、いまなお語られる日本劇場未公開作が、このたび4Kレストア版で日本公開される。

仏・マルセイユの自宅で回想録を執筆しているガルー。かつて外国人部隊所属の上級曹長だった彼は、アフリカのジブチに駐留していた。暑く乾いた土地で過ごすなか、いつしかガルーは上官であるフォレスティエに憧れともつかぬ思いを抱いていく。そこへ新兵のサンタンが部隊へやってくる。

サンタンはその社交的な性格でたちまち人気者となり、ガルーは彼に対して嫉妬と羨望の入り混じった感情を募らせ、やがて彼を破滅させたいと願うように…。

予告編では、アニエス・ゴダールが手がけ、数々の撮影賞を受賞した、目がくらむほどに青いアフリカの海岸から映像が始まる。

「『意志の勝利』を撮り、褐色の肉体を祝い、深海の極彩色に潜った、レニ・リーフェンシュタールの、いかがわしい問いが沸き立つ」との文筆家の五所純子からのコメントが目に止まり、端正な顔立ちの新兵サンタン、フランス映画界の生きる伝説ドニ・ラヴァンが演じる、ガルー、そしてもう一人のキーパーソン、フォレスティエの姿が映る。

静かだがどこか不穏な雰囲気に目を凝らしていると、「心の底に憎しみが湧くのを感じた」と言う意味深なセリフと共に、予告編は突然転調し、何かの予兆を感じさせる。そして、「あのダンスシーンがどうしても忘れがたい」と言う映画評と共に、まさに踊りださんとするドニ・ラヴァンの姿で予告編は終わる。

「目的も意味も生産性も欠いた映画の純粋運動の祭典。あくまでも効率化を目指す現代社会のシステムに対して静かに、そして粘り強く抵抗し別の道を探すめまいのようなクレール・ドゥニの映画。脳はひたすら覚醒するばかりである」とboid主宰・映画評論家の樋口泰人からのコメントも映る。

また、4Kレストアバージョンの新メイン写真、追加場面写真も併せて解禁された。

映画『美しき仕事 4Kレストア版』は、5月31日より順次公開。

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