英中銀に経済予測の抜本的改革を提言、バーナンキ元FRB議長

David Milliken

[ロンドン 12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ元議長は12日、英イングランド銀行(BOE、中央銀行)への提言書を公表し、対話手法を全面的に見直すとともに、経済予測については「決定的に時代遅れ」になっている技術を改めるべきだとの考えを示した。

英国は2022年にインフレ率が41年ぶりの水準まで上昇し、BOEは利上げが後手に回ったとの批判を浴びた。このため昨年、バーナンキ氏にBOEの経済予測方法などを改善するための提言が委託されていた。

提言書は、BOEがより多くの経済シナリオを公表し、金利については市場予想への依存を減らすといった改善案を示した。ただ金利見通しについては、FRBの「ドットチャート」のような独自予測の発表を推奨せず、こうした大胆な選択肢についてはさらなる検討が必要だとした。

バーナンキ氏は「BOEの予測精度はこの数年で著しく悪化したが、他の中銀や英国の他の予測機関でも予測の確度は英中銀と同程度に悪化している」と結論。予想を外したのは「極めてまれな状況」によるものであり、「恐らく避けられなかっただろう」とした。

最大の問題は中銀の予測システムに「重大な欠陥」があり、職員が代替的な経済シナリオを作ることが難しかったためだと分析した。

その上で、BOEは「四半期インフレ報告」で長年採用してきた確率分布図(ファンチャート)を廃止し、代わりにリスクをより明確に評価し、経済が予想通りに動かなかった場合に、どのような金利変更の可能性があるか、その変更がどのような影響を与えるかを示す代替的なシナリオを公表すべきだとした。

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