みなと銀行、初任給25万5千円に引き上げ 来春から、県内金融機関で最高額 2年間で5万円増

みなと銀行本店=神戸市中央区三宮町2

 みなと銀行(神戸市中央区)は15日、2025年4月に入社する新入社員の初任給(大卒)を現行より3万円引き上げ、25万5千円にすると発表した。今年4月入社の社員も2万円引き上げており、2年間で異例の5万円増となる。兵庫県内に本店を置く金融機関では最高額で、メガバンクや大手地方銀行と同水準となる。

 若年人口の減少で学生優位の「売り手市場」が続く中、優秀な人材を採用する狙いがある。同行の初任給は23年入社の社員まで20万5千円で、08年入社組以来、15年間据え置かれてきた。しかし賃上げの流れを受け昨年、24年入社組から22万5千円にすることを決定。今回さらに人材争奪戦で競争力を高めるため、3万円上積みした。

 短大卒と高校卒も3万円上げ、それぞれ22万5千円、20万5千円とする。同行とりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行を合わせたりそなホールディングス傘下の4銀行で、初任給が同額となる。

 既に入社しているみなと銀行社員については、25年入社組を下回らないよう調整する。同行では社員全体の賃上げも進めており、昨年7月には1999年の同行発足以来初めて、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施した。

 初任給25万5千円は県内企業の中でも高い水準となる。みなと銀は25年春に約80人の採用を計画中。事実上の選考活動はヤマ場に入っており、採用担当者は「(初任給の大幅増は)学生へのインパクトが大きいはず」と期待する。県内の銀行や信用金庫が、追随して引き上げる可能性もある。

 金融業界では人材獲得競争が激化しており、初任給が軒並み上昇している。メガバンクのみずほ銀行や地方銀行大手の京都銀行、池田泉州銀行などが26万円、三井住友銀行や三菱UFJ銀行は25万5千円となっている。(高見雄樹)

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