世銀総裁、春季総会控え改革推進に意欲 民間資金誘致へ

David Lawder

[ワシントン 12日 ロイター] - 世界銀行のバンガ総裁は12日、春季総会を前に記者会見を行い、プロジェクトの承認期間短縮や民間資本を呼び込むための改革を推進すると表明した。

昨年6月に就任したバンガ氏は、開発支援や貧困対策といった従来の取り組みに加え、気候変動対策や世界的な危機への対応にも注力している。

そのためにはリソースを増やし、融資能力を大幅に拡大する必要がある。世銀は自己資本比率を調整することで既に10年で400億ドルの追加融資枠を確保している。ただ、気候変動対策などで毎年必要とされる数兆ドルには達していない。

バンガ氏は、他の多国間開発銀行や信用格付け機関と連携して各国政府が使っていない緊急資本を活用するなどの措置を進めていると説明した。

また、融資や保険保証のために新たなプラットフォームを立ち上げ、2030年までに保証業務を現行の3倍超の200億ドルに増やす計画。

年金基金や保険会社、政府系ファンドなどの機関投資家が運用する資金の一部を発展途上国に容易に提供できるよう証券化プラットフォームを構築していると説明した。

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