アルピーヌ、水素エンジン搭載ハイパーカー「Alpenglow」を5月のWECスパ6時間でデモ走行

Image:Alpine

フランスのスポーツカーメーカー、アルピーヌは、5月にベルギーで開催される世界耐久選手権(WEC)スパ・フランコルシャン6時間耐久レースで、水素燃焼エンジンを搭載したハイパーカー「Alpenglow」を公開する。

Alpenglowはスパ6時間レースの予選日となる5月10日に展示公開され、翌11日の決勝レース開始前には、水素燃料電池式レーシングカーである「MissionH24」とともにデモ走行する。

アルピーヌは、走行可能なバージョンのAlpenglowは「まったく新しいデザイン」になると述べている。提供されたスケッチに基づくと、2022年のパリモーターショーで初公開されたオリジナルのコンセプトカーにくらべると、一部はより現実的なデザインになる模様だ。

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自動車業界はバッテリー式電気自動車(BEV)の普及を進めているが、バッテリーだけでは航続距離を大きく延ばすことは難しい。そういったこともあり、クリーンエネルギーとして水素を採用する水素燃料電池車や水素エンジン式自動車の開発を進めるメーカーもある。

モータースポーツの分野では、フォーミュラEやエクストリームEのようなバッテリーEVのシリーズが開催されている。一方、やはり内燃機関による直感的な出力制御や、エンジンならではの迫力あるエキゾーストノートが、無機的な電動車によるレースよりも支持される傾向がある。

日本では、トヨタが市販車をベースとするスーパー耐久シリーズに、水素エンジンを搭載したカローラを投入している。

モータースポーツの最高峰であるF1も、現在のガソリンに代わり、水素技術をモータースポーツ全体でどのように活用できるかを研究し、輸送とインフラにおける持続可能性を高めることを目的として、FIA(国際自動車連盟)、エクストリームEとともに、共同で水素ワーキンググループを結成することを発表済みだ。なお、エクストリームEは2025年より水素燃料電池を採用し、エクストリームHと改称する予定だ。

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