3失策直後に気合の丸刈り!オリックス紅林弘太郎を救った先輩・宗佑磨の愛ある言葉「これから全然取り返せる」【オリ熱スタイル2024】

「今年は3番を打ちたいですね」とキャンプからクリーンアップで打つことを目標に掲げていたオリックスの紅林弘太郎。オープン戦は打率.323(35打数10安打)と好調で、3月に行われた欧州代表との侍ジャパン強化試合でも活躍するなど、順調なスタートを切ったかに思われた。

しかし、いざシーズンが開幕すると、急に不調に陥ってしまった。

11日の楽天戦(京セラドーム)ではサヨナラ打を放った紅林だが、そこで完全復調とはならず、13日の日本ハム戦ではまさかの3失策。その日の先発で、親友でもある同期の宮城大弥に迷惑をかけてしまったことから、試合後に比嘉幹貴のバリカンを借りて何と丸刈り。「宮城にお願いして(髪を)切ってもらった」。約3cmの短さに刈られた姿を宮城がインスタグラムのストーリーズにアップすると、ファンの間からは驚きとともに好意的な意見が相次いだ。

宮城も2021年に「負けるまで髪を切らない」と宣言していたところ敗戦したのを受けて、寮で0.5ミリ(中川拓真がミリ数を間違えたため)の丸刈りにしており、「宮城もやってたんで気合い入れるかと。先輩たちはほとんど帰っていたので、2人で居残り伐採でした」と照れ笑いを浮かべていた。

丸刈り効果か、14日の試合では3打数2安打とマルチヒットを記録して、打率もようやく身長を超えて2割台に乗せた。「やっぱり今置かれてる打順は下位なんで、ランナーを返すのも大事ですけど、今は後ろに回したり、上位にいい形で回すことが求められてるのかなと思うので、そういうところをきっちりやっていきたい」と語った紅林。「自分の結果ばかり気にして、チームのためにっていう思いがちょっと薄れてたんで」と認めた上で、「チームでやってる以上、やっぱ勝ち勝つことが大事なので。自分の結果より、勝ちにどんだけ貢献できるかっていうことを意識して、これからもやっていきたい」と力強く語った。 前日、エラーを連発した紅林を救ったのは、三遊間コンビを組み、普段から可愛がってくれている宗佑磨の激励だった。宗からは攻めた結果のエラーもあったこと、これからいくらでも取り返せると励まされたという。「僕は結構もう『やっちゃった』って感じだったんですけど、本当に救われたというか、ちょっと気持ちも楽になりましたし。今日、新しい気持ちでやれたので良かったです」。

髪を切り、先輩の言葉も胸に刻んで「昨日のことは昨日で終わり」と切り替えることが出来たのが大きかったようだ。

13日の試合後、「宮城と紅林に解決してもらいたい」と話していた中嶋聡監督は「勝手に坊主になって知らないよ。俺がやらせたみたいじゃない」と語っていたが、当の紅林も「絶対僕がただ自分でやっただけなんで」と監督の関与を強く否定している。

チームは今週から再びビジター6連戦に突入。週末には首位を走るソフトバンクとの3連戦も控えているだけに、心機一転を図る紅林にかかる期待は大きい。

文●THE DIGEST取材班
写真●野口航志(DsStyle)

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