小林製薬サプリで注目「機能性表示食品」とは 脂肪減らす、血圧下げる…安全性や効果の責任どこに?

機能性表示食品について解説する浦本教授=福井県越前市の仁愛大学

 小林製薬(大阪市)が販売していた機能性表示食品のサプリメントによる健康被害が問題になっている。世の中には多数の機能性表示食品があるが、どのような食品なのだろうか。機能性表示食品に詳しい福井県の仁愛大学健康栄養学科の浦本裕美教授(62)は「国が安全性や効果を認めた食品でないことを理解しなければならない」と話す。

 「脂肪を減らす」「高めの血圧を下げる」「疲労感を軽減」…。福井市内のドラッグストアにはパッケージに機能性(効果)が記されたさまざまな機能性表示食品が並ぶ。

 機能性表示食品は、機能性を表示できる保健機能食品の一つで、2015年の食品表示法施行に伴い新たに加わった。事業者の責任で安全性や効果の科学的な根拠を国に届け出た上で、健康の維持や増進に関する機能性を表示することができる。安全性や科学的根拠の審査はない。浦本教授は「購入するかどうかは個々の判断に委ねられている」と話す。事業者はパッケージに▽機能性と安全性について国による評価を受けたものではないこと▽疾病の診断、治療、予防を目的としたものではないこと―などを表示する必要がある。

 一方、保健機能食品の一つの特定保健用食品(トクホ)は、機能性と安全性について最終製品を使ってヒトで確認する必要があり、国の審査がある。国が認めた商品だけにトクホの許可マークが付けられる。

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