単独ソフトに本体まで…虎党だけの優越感! ゲーム化された「阪神タイガース」の世界

ニンテンドーDSソフト『阪神タイガースDS』

3月29日、いよいよプロ野球が開幕。昨年は、阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝き、大きな話題となった。今季の二連覇にも期待がかかるところだ。

阪神といえば、アプリ『阪神タイガース・スピリッツ』も好評だ。阪神の選手たちのカードをスカウトやトレードを駆使してコンプリートを目指す、阪神ファンにはたまらない内容となっている。

実はこのアプリのように、「阪神タイガース」をテーマにしたゲームソフトや「阪神タイガース」スペシャル仕様のゲーム機本体などは過去にも発売されている。これは虎党だけの楽しみであり、優越感を得られるアイテムでもあった。そこで、今回はゲーム化された「阪神タイガース」を、いくつか紹介していきたい。

■愛と知識が問われるニンテンドーDSソフト『阪神タイガースDS』

2008年には、『阪神タイガースDS』(スパイク 現:スパイク・チュンソフト)という、その名の通り「阪神タイガース」をテーマにしたニンテンドーDSソフトが発売された。

2008年といえば、第1次岡田監督時代の5年目のシーズンだ。FAで広島から新井貴浩選手を獲得、さらにスタートダッシュにも成功し首位を独走。しかし、北京オリンピックに主力を派遣して以降チームは失速し、終盤巨人に逆転されリーグ優勝を逃すといった、非常に悔しいシーズンだった。

そんな年に発売されたニンテンドーDSソフト『阪神タイガースDS』は、球団公認のクイズゲームだ。創設時からソフトが発売された2008年までの長い歴史をもとに作成された、およそ2500問のクイズが収録されている。まさに球団愛が問われるゲームとなっており、阪神ファンを唸らせる内容だった。

クイズに正解することで名シーンの画像や映像が閲覧できるようになるほか、阪神タイガースに所属した選手や球団史、さらには『六甲おろし』も収録されている。

阪神ファンにとってはデータベースとしても活躍するだろう。ちなみに野球自体をプレイするモードはないので、そこは注意だ。

■最下位がんばれモデルと優勝記念モデル

いくつかのゲーム機からは、“阪神タイガーススペシャルモデル”も販売されている。

1999年に発売された『ネオジオポケットカラー がんばれ阪神タイガースバージョン』は、絶不調だった当時の阪神タイガースを応援するモデルだ。

黄色と黒のストライプが非常にポップで、可愛いデザインが目をひく。ちなみに、ネオジオポケットを販売するSNKの本社は大阪にあるので、このスペシャルモデルからは阪神愛が感じられる。

2つ目は、2003年に発売された『ニンテンドーゲームキューブエンジョイプラスパック 阪神タイガース2003年優勝記念モデル』だ。この年、阪神は2位以下を圧倒的に突き放して優勝しており、それを記念するセット商品となっている。

縦縞模様に優勝メモリアルロゴの入ったゲームキューブ本体、阪神ロゴが入ったコントローラーとゲームボーイプレイヤー、さらには優勝メモリアルロゴと任天堂ロゴ付きのオリジナル公式応援ユニフォームも付いた、まさに優勝を祝う豪華なセットだった。

どちらも、阪神ファンなら手に入れたくなる一品だっただろう。

■立派な阪神ファンになりゴールを目指す『人生ゲーム阪神版』

最後は、1999年発売されたボードゲーム『人生ゲーム阪神版』だ。

1999年は、前年最下位に沈んだことを受け、野村克也新監督のもと、チームの再構築をはかった年だった。ただ、最終的には2年連続の最下位で終えてしまい、阪神ファンにとっては厳しいシーズンとなった。

そんななか発売されたのが、ボードゲーム『人生ゲーム阪神版』だ。自らを奮い立たせるかのように「それでも阪神が好きやねん!」とパッケージに大きく描かれた文字が、なんとも涙を誘う。

ルーレットを回しコマを進めていく通常の『人生ゲーム』と基本システムは同じだが、プレイヤーは“ミーハーファン”からスタートし、ファンとして役割を見つけ、ファンの証である“虎吉ポイント”を獲得しながらゴールを目指していく。

ゲームで発生するイベントもユニークで「巨人戦。バース、掛布、岡田バックスクリーン3連発!狂喜乱舞の虎ファン。50万虎吉ポイントもらう。」「1998年阪神優勝!? 二軍の話でした。素直に喜べないなんてまだまだ修行が足らんな。3000万虎吉ポイント払う。」など、ファンの心をつく内容となっている。

ほかにも知識を問われる「阪神常識クイズ」や「シルエットクイズ」なども満載で、阪神ファンで集まって遊ぶと大盛り上がり必至の内容となっていた。

今回はこれまでゲーム化された「阪神タイガース」商品の数々を紹介してきた。ソフトからゲーム機本体、さらにはボードゲームまでさまざまな商品が登場していたが、優勝した年、最下位に沈んだ年、そのどちらでも発売されているのが“阪神ならでは”ではないだろうか。

ゆえに、これらのゲーム化された「阪神タイガース」商品の数々は、優勝の歓喜も最下位の屈辱も球団とともに味わった虎党の証でもあった。

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