【駅チカ】今は昔の“郊外立地”キャンパス…なぜいま“駅前中心部”なのか?町にも大きな変化が(静岡)

いま、大学や専門学校が駅前に移転する動きが強まっています。郊外の広いキャンパスが魅力のひとつでしたが、なぜいま、駅前の中心部なのでしょうか。そしてそれは町にも大きな変化を与えていました。いまの静岡駅前について、みなさん、どう思いますか?

(静岡駅前利用者)

「静かじゃないですか、元気ないです」「もう少し洋服の店とか増やしてほしい」「(賑やかさ)足りない、若者が逃げちゃっている」

(80代 男性)

「元気がないよね」

県庁所在地である静岡市を代表する駅でありながら、どこか物足りなさを感じる人も多い中、その駅前に2024年3月、新たに誕生したのが地上15階建てのビル「M20」。地下1階から地上2階までは商業施設が入る予定ですが、このビルのほとんどを占めるのは「静岡デザイン専門学校」。静岡駅の目の前に校舎が移転してきたのです。

(専門学校生)

「バス1本で通うことができて駅から地下を通って学校に来れるので便もよくいいなと思った」

(大学生)

「研究内容が静岡市と協力していることなので現地で実際がわかることはよいこと、より連携を綿密にとって研究したい」

このビルはJR静岡駅から徒歩4分。地下道でつながっているため雨に濡れる心配もありません。しかし、駅前に学校を開設した目的は、通学のしやすさだけではないようです。

(静岡理工科大学 法人本部 広報部 久保田 香里 部長)

「様々な方々に教育を連携していける意味では利便性が大事だった」「入学者が大変増えている」「地域の方々の期待の大きさを感じている」「いろいろなところと繋がって教育のノウハウを提供できると思う」

学校と地域のつながりを密にしてお互いに活性化させようと、いま、「教育施設の駅チカ化」が各地で進んでいるんです。

7年前、JR草薙駅から徒歩4分の場所に開設した常葉大学・草薙キャンパス。ここでは「駅チカキャンパス」となったことで様々な効果が!

(常葉大学 林 啓子 常務理事)

「現時点では浜名郡から伊豆まで通っている学生がいる」「移転時期を挟み2年間で1.3倍に受験者数が増えている」「非常に活発になった賑やかになった」

一方で学生は…。

(学生)

「裾野から。1時間半ぐらい。駅から近いので電車通学でも大丈夫です」

(学生)

「駅と学校が近いので休日に部活ある日でも近いし、行こうかなという気持ちになる」

(学生)

「駅チカはでかいです。遅刻しそうな時に走れば間に合う」

駅チカキャンパスのメリットは学生だけではありません。周辺の地域にも変化が…。

(草薙周辺住民)

「ここでイベントをよくやるがイベントに協力してくれている」「変わりましたね」「良いんじゃないですか若い人が増えることは」

(駅前の鮮魚店)

「学生の寮があるが学生が買いに来てくれる」「若い人が増えて人の流れができていいと思います」

常葉大学では「駅チカ」に開設した草薙キャンパスの成功をうけ、現在は中心部から車でも40分ほどかかる「浜松キャンパス」を浜松駅前へ移転することを決めました。

(常葉大学 林 啓子 常務理事)

「成功であると考えています」「駅チカにあることで学生、教員が活動しやすくなったという声がかなり入ってきている。浜松においてもみなさんに使いやすいキャンパスになればよいと思っている」「令和10年までには移転をしたいと考えている」

4月11日から学生が通い始めた「静岡デザイン専門学校」がある静岡駅前の「M20」には、この秋、商業施設もオープンします。

(鈴与商事 静岡駅前再開発プロジェクト 灰本 匡宏 担当部長)

「飲食店を中心に20店舗の出店を予定している」「静岡県にとどまらず全国から今まで商業施設に出たことがなかったお店の誘致を積極的に進めている」

駅チカキャンパスの誕生により街には、経済面でも大きな効果がありそうです。

(静岡経済研究所 田原 真一 研究員)

「静岡市は若年層の流出が重要な地域課題。静岡駅前に教育施設を作って若い人を増やすというのは非常に意義のある取り組み」「就職して東京などに行くのではなく静岡で暮らし続けてもらう、長期的な効果も見込めるのではないかと思う」

「M20」の建設を進めてきた組合は学生がやってくることで街の活性化に期待を寄せます。

(御幸町9番・伝馬町4番地区市街地再開発組合 林 裕司 事務局長)

「すでに開店している駿河屋を含め、『デザイン専門学校』の学生さんとともに『けやき通り』から駅前周辺に新たに動き回ることは非常にいい効果を持たらすと期待している」

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