「人として最低」大谷翔平「いちばんお世話になった」感謝の翌日から始まった水原容疑者の“裏切り”に著名人からも集まる批判

2021年11月15日、日本記者クラブで会見をおこなった大谷翔平。水原容疑者の不正送金はこの翌日から始まった(写真・時事通信)

4月12日(日本時間)、ドジャース・大谷翔平の口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正送金したとして、銀行詐欺の疑いで連邦検察に訴追された元通訳の水原一平容疑者。

SNSでは、水原容疑者が最初に不正送金した日付に注目が集まっている。

供述書によると、水原容疑者が大谷の口座から4万1000ドル(約612万円)を最初に不正送金したのは、2021年11月16日。以降も水原容疑者は、大谷になりすまして口座にアクセスしたとされている。

その前日となる2021年11月15日は、大谷が、東京・千代田区の日本記者クラブで会見した日だった。

米で4年め、当時はエンゼルスに所属していた大谷は同年、投手で9勝をあげ、打者ではリーグ3位の46本塁打に加えて100打点、26盗塁とフル回転。ア・リーグMVPの最有力候補にあがっていた(その後、満票で受賞)。

その会見で、「いちばんお世話になった」存在を問われ、大谷はこう答えていた。

「お世話になったのは(通訳の水原)一平さんじゃないかなと思いますね。つねに一緒に仕事もしていますし、うん。それはまあ、そのとおりじゃないかなと」

つまり水原容疑者は、大谷が感謝を述べた翌日、大谷を裏切る形で、不正送金を始めたことになる。

大谷が水原容疑者に感謝を伝えた会見動画はSNSで拡散し、最初の不正送金と会見が同日(日本時間では翌日、2021年11月16日)であることを指摘する声があがっていた。

お笑い芸人のほんこんは4月14日、自身のXにこう書きこんだ。

《これは切ない、辛い 純粋に野球だけを真摯に向き合い 頑張ってきた大谷選手 批判していた方々どう思う》

SNSではほかにも、大谷が感謝を述べた翌日、水原容疑者が最初の不正送金に手を染めたことに批判的な声が上がっている。

《大谷の信頼を確信して「イケる」と思ったガチクズ一平ちゃん》

《水原一平さんは人として最低》

《大谷選手のお気持ち、察するに余りあります》

4月13日には、ニューヨーク・タイムズ(電子版)が、大谷が水原容疑者から、胴元側への借金を肩代わりして送金したことにしてほしいと偽装を依頼されたが、拒否していたと報じた。

同紙によると、大谷は2024年シーズン開幕戦後、水原容疑者の英語での説明を完全には理解できなかったが、疑念を持ち、宿泊先のフェアモントアンバサダーホテルに戻った後、2人で話し合った。その際に同容疑者から賭博の借金があり、お金を盗んでいたことを打ち明けられ、周囲への説明に沿うように頼まれたが、断って代理人を呼んだという。

薬物依存からの回復を目指している俳優の高知東生は4月14日、自身のXにこう書きこんだ。

《NYタイムズの大谷選手の記事。口裏合わせをキッパリ拒否したとのこと。事実なら立派な対応だ。言い訳にあわせてやる、本人に変わって説明する等も依存症者にNGの尻拭いなんだよな。やったことにきっちり本人が直面する。失うものは大きいけど、そこからやり直すしかないんだよね。って俺実感こもりすぎ》

4月13日、大谷は水原容疑者の裁判の手続きが進んだことについて、本拠地でのパドレス戦を前に「捜査当局の捜査に感謝します。個人的にはこの件についてはこれで一区切りとして、野球に集中したい」とコメントしたと、ロサンゼルス・タイムズが伝えている。

そして、その言葉どおり、パドレス戦では4号ソロを放ち、松井秀喜の日本人歴代最多175号に並んだかと思えば、第3打席でも左翼線二塁打を放ち、日米通算1000安打に到達した。

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