至福のダッチパンケーキとワインと。「PATH」(代々木八幡)で楽しむ朝と夜の“パン飲み”

都内のみならず、全国的に増え続けているベーカリー。パンの楽しみ方も様々に増え、海外からチョコレート専門のベーカリーが生まれたり、お惣菜系のパンが並ぶ人気店やパンを楽しめるカフェも増え多様化しつつあります。そんな中でも、“パン飲み”のという新しい提案が話題に。新しいパンの楽しみ方とライフスタイルが東京を中心に広がりつつあります。

そんな今とってもホットな「パン飲み」連載がスタート。一緒にパン飲みを楽しめる人気店を巡るのは女優でモデルの「雪見みと」さん。SDGs×冷凍パンイベント『雪見みと 今日から始めるSDGs』」をプロデュースするなど、パン好き女優として、TVドラマや映画等でも活躍しています。

第二回目となる今回の連載の舞台は、代々木八幡・代々木公園のエリア。

オンリーワンの空間。朝からワイワイ活気あふれる空気に触れる

富ヶ谷一丁目通り商店街。人気の代々木八幡・代々木公園エリアの商店街で、周辺には新しいお店が続々と。そんな商店街に、地元でも根強い人気を誇る「PATH(パス)」はあります。朝8時から営業しており、朝のモーニングはもちろん祝日も多くの人が訪れ、ガヤガヤと朝から活気があふれます。

特にオーダーを受けてから30分かけて焼き上げるダッチパンケーキは、凄い人気ぶり。そして休日は行列ができるほどの人気店でしたが、並ばなくてもいいように現在は発券機を導入しているため順番に入れる仕組みに。

手前にあるカウンターとキッチンが賑やかな雰囲気を演出

「ワインバーみたいに使ってもらったり、コースをしっかり食べたい人にも来てほしい。そういうボーダレスなお店作りをしたかった」そう話すのは原 太一シェフ。原シェフは大学を卒業後にレストラン、ビストロなどを経て、ミシュラン二ツ星「キュイジーヌ〔s〕ミッシェル・トロワグロ」で経験を積み、2011年に「Bistro Rojiura」をオープン。3年連続してビブグルマンにノミネートされ、その後2015年にこの「PATH」 を、後藤シェフパティシエと共同でオープンさせました。

PATHの店づくりは一番手前にキッチンがあり、入り口の周辺には立って飲めるカウンターや外でベンチに座って飲めるスペースも。料理の香りやてきぱき動く店員の感じ、ワイワイお酒を飲んで盛り上がる会話が、お店の雰囲気を彩ります。そのわちゃわちゃしていて“肩の力が抜けたような楽しい感じや空気感”を感じて欲しかったという。

店内の作りにもこだわりが。ビンテージ家具が組み込まれ、また薄緑色の腰板やタイル、そして“あえて”サイズ違いの棚を置くことで、作りこみすぎない空間を意識している。

オープンなスタンディングスタイルは開放感があって楽しく、冬が終わると外のベンチで、商店街そのものを楽しみながら一杯飲むのも味があり、そんな街と一体化した雰囲気はこのお店ならでは。

シンプルで飽きのこないサンドイッチはワインの最高のお供

「PATH」のモーニングは、サンドイッチやカンパーニュ、定番のダッチパンケーキなど、少し贅沢でありながらもカジュアルなメニューが並びます。

「朝からコーヒーとクロワッサン、そんな組み合わせを楽しむ朝食のあの感じが凄く好きだった」というのは原シェフ。お店では毎朝「パン・ド・カンパーニュ」が並び、その時々によってカヌレやクラシックなフランス菓子「パン・ド・ジェンヌ」をはじめとした様々なお菓子が並ぶことも。このPATHでは、誰でも知っているようなお菓子やクラシックなお菓子を“奇をてらわず丁寧に作る”ことを心掛けているんだとか。

“朝からでも、昼からでも飲める”

今回のパン飲み連載でぴったりなのが「サンドイッチ」です。ハムとカマンベールの定番メニューは、鶏むね肉とその時の旬の野菜を使ったボリュームたっぷりのサンドイッチ。そのルーツは、パリの朝食の定番「ジャンボン・ブール」。本当はバゲットで作るところをPATH流にアレンジ。

ハムは角にしてのせたり、厚い部分と薄い部分で食感のアクセントを意識するなど、シェフの技が光ります。シンプルだけど、毎回口いっぱいほおばって食べたくなるようなサンドイッチです。

このサンドイッチに合わせたワインは、自然派ワイン醸造家シリル・ル・モアンのナチュールワイン。フランスのロワール地方アンジュ地区のワインで、ぶどう自体はタンニンのあるものを使っていながらロゼのような味わいのものをペアリングしてくれました。

続いてモーニングの定番、ダッチパンケーキを紹介します。

ほおばる幸せ。名物のダッチパンケーキに、笑みがこぼれる

名物モーニングの「ダッチパンケーキ 生ハムとブッラータ」は、ほとんどの人が注文する人気のメニュー。

ダッチオーブンで焼き上げ、下の方はもっちりとした厚めの生地に、まわりはふか~っとした食感。フォカッチャのような食感にも近い生地感です。

そして特筆すべきはたっぷり盛られた生ハムと、モッツアレラチーズに生クリームを混ぜ込んだブッラータチーズ。ナイフを入れると、トロっとチーズがあふれます。別添えのメープルシロップをかけると、生ハムの塩味とチーズのミルキーなコクが合わさり、独り占めしたくなるほどの美味しさ。

撮影中も「美味しすぎて独り占めしたい」とその美味しさに衝撃を受けていた雪見みとさん。

一つ一つ注文を受けてから焼き上げ、手間暇かかるこのダッチパンケーキをメニューに加えた理由を原シェフに伺いました。

原シェフ「たまたまアメリカで何気なく食べたものが、ダッチパンケーキで凄く記憶に残っていました。クオリティ的にはおおざっぱなものでしたが、このダッチパンケーキをしっかり作ったら凄く美味しいものになるんじゃないか? そう思い、帰国後はほぼ毎日試作していましたね。生地は冷凍庫で寝かせたらいいのか、常温で保管がいいのか、焼き方を含めありとあらゆる試作を重ねました。

チーズはご近所さんでもある『チーズスタンド』さんのものを使っています。それはどこよりも早く届くし、チーズはフレッシュが一番おいしいので(笑)。」

夜のパン飲みは、絶品の料理と一緒に

夜の料理はシェフの真骨頂が楽しめる。多国籍感あふれる美しい料理の数々は、フレンチのテイストを残しつつ、例えばペルー料理のような異国感を感じる一皿があったりなど、枠にとらわれないボーダレスな料理を追求されています。

そんなPATHの料理にはナチュールワインがとても相性が良く、料理に合わせてくせがなく飲みやすいもの、さらっと飲めるものを揃えているそう。

そしてPATHの料理の美味しさの一つとして「野菜」もキーワードに。農家さんとのつながりで、お任せで野菜が定期的に届くそうで「今回はこの野菜が届いたのでこれをピューレにしよう、これはじっくり火入れしオーブンで焼いたら美味しいから焼いて料理しよう」など、旬の野菜を美味しく最高の状態で、一皿に描いてくれます。

夜は予約制でコース料理と、アラカルトメニューがあります。定番のマドレーヌ、フィナンシェ、カヌレに加えて今後は焼き菓子も、過去やっていたパンオショコラなどパンの種類も増やしていきたいという。

そして何よりも“朝でも昼でもワインが飲めるということをもっと知っていただけたら”そう話す原シェフ。美味しいワインを「朝」はパンと、「夜」は料理と一緒に楽しめる「PATH」にまた足を運びたくなりました。

雪見みと Yukimi Mito

兵庫県出身。SNSで人気となりテレビ番組で特集が組まれるなど話題殺到。2021年Vaundy「life hack」MVに出演 。2022年BS12「SDGsらぼ」にて初の番組MCを務め、プライベートでもパンが好きということから、2022年6月には「SDGs×冷凍パンイベント『雪見みと 今日から始めるSDGs』」をプロデュース。
短編映画 純猥談「いつか回り回って恋人に戻れたら幸せです」ではヒロインに抜擢。2023年 テレビ朝日系列「たとえあなたを忘れても」佐久田敬子役にて出演、主演映画の公開も控えているなど注目の若手俳優。

About Shop
PATH
東京都渋谷区富ケ谷1丁目44−2, A-Flat, 1F
営業時間:モーニング・ランチ8:00-14:00 (L.O 13:00)
※混雑状況により早まる可能性あり
ディナー18:00-23:00 (L.O 22:00)
※ディナー営業のみの日もあるため、公式インスタグラムをご確認ください。
定休日:モーニング 月曜、火曜、ディナー / 月曜、日曜

撮影/Yusuke Shirai(白井裕介) Hair&Make/Kure Akie(呉あきえ) スタイリング/Yui Yamashita

衣裳/Wild Lily(代官山)@wildlily_daikanyama ジュエリー /h..(エイチ)@h_jewelry_official アイウェア/Re:See(リシー)@resee.official

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