読者の選択で物語が変わる! 『約ネバ』作者のフルボイス漫画がゲームみたい

世界で1枚だけのカードをつくることができる、デジタルトレーディングカードゲーム『ORE’N』が、4月15日にコナミデジタルエンタテインメントからリリースされました。iOS、Android、PCのブラウザで遊ぶことができます。

そして本作のリリースに併せて、集英社の漫画サービス・少年ジャンプ+で、『ORE’N』のキャラクター・戦士ミサンガを主人公とした漫画の1話が公開されました(外部リンク)。

タイトルは、『ORE’N MONSTER CHRONICLE ミサンガルート(以下『ORE’N ミサンガルート』 )』です。

『ORE’N MONSTER CHRONICLE ミサンガルート』のあらすじ

『ORE’N ミサンガルート』は、戦士ミサンガが母を探す冒険ファンタジーです。

読者が提示される選択肢を選ぶことで展開が変化する、ゲーム要素を取り入れた漫画ジャンル、インタラクティブコミックの作品となります。

フルカラーでフルボイス、さらにBGMもついており、新感覚の漫画体験が楽しめます。

作者は『約束のネバーランド』で知られる出水ぽすかさん。コナミデジタルエンタテインメントと協力して制作しており、全4話で完結。

4月22日(月)に第2話、同29日(月)に第3話、5月6日(月)に第4話が公開される予定です。

見た目は漫画、体験としてはゲームに近い

まず読んでみて、というか、読む前にゲームのスタート画面のようなページに飛ぶため、既存の漫画とは全く異なる体験がはじまることが最初からわかります。

ページ下部にある「START」をタップすることで物語が進んでいく、この能動的でゲーム的な動作がもうちょっと楽しい。読者を引き込む力が強いです。

続くページでは音が出るとの注意書きが現れ、スクロールするといよいよキャラクターたちが登場。どこか物悲しく美しいBGMに乗って、キャラクターたちの声が聞こえてきます。

スクロールする毎にそれぞれのキャラクターが話し、BGMも場面転換で切り替わってと、新しい漫画体験として純粋に面白いです。

途中からは物語の展開に合わせた「開けてみよ」or「やめとこ」「逃げよう…」or「戦う?!」といった選択肢が読者に提示されるようになります。

ゲームで言うルートの分岐点です。

見た目は間違いなく漫画で、体験としてはゲームに近い。フルボイスのアドベンチャーゲームという表現が一番近いかもしれません。

ですので、どの選択肢を選ぶかで展開が変化していきます。一度最後まで読んだあと、もう一度違う選択肢で読み直したくなるため、もうすでに1話を5〜6周してしましました。

作者の出水ぽすかさんは、「ルート分岐もあって制作にはめちゃくちゃ時間かかったので、だれか一人でもすべての分岐をチェックして網羅してくれたら嬉しいです!」とコメントしており、相当数の分岐がある模様。

全4話と話数こそ多くないものの、読み応えは抜群です。

作者・出水ぽすかさんのコメント

こんにちは~ぽすかです!

いよいよORENゲーム開発も大詰め!これを書いている今、開発部はバグチェックをしているそうです。そんな中ついにスペシャルな漫画が完成しました!フルカラーのインタラクティブコミックがジャンププラスに掲載されます!しかも全四話!やった~!

ルート分岐もあって制作にはめちゃくちゃ時間かかったので、だれか一人でもすべての分岐をチェックして網羅してくれたら嬉しいです!

独自性の高い『ORE’N ミサンガルート』

ちなみに『ORE’N ミサンガルート』のような縦スクロール漫画における試みは、すでに様々な形で行われています。

韓国発の縦スクロール漫画・WebToonでは作品によってBGMを流しており、海外版の『外見至上主義』はその一つです(日本のLINEマンガに掲載されている『外見至上主義』にはBGMはありません)。

中国の漫画アプリ・快看でも音声と簡単なアニメーションで演出するボイスコミック的なアプローチが取られています。こちらは絵を立体的に動かすLive2Dのような見え方になるため、アニメーション寄りの漫画という感覚です。

こうした漫画の拡張表現の中でも、『ORE’N ミサンガルート』のように、BGMと声優の演技とルート分岐を組み合わせる手法はあまり例がなく、独自性の高さが光ります。

今後の展開を占う上でも、日本発の挑戦的な一作としても必読です。

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