シングルマザー(母子家庭)で、子育てや生活に不安を抱えている人もいるでしょう。
「シングルマザーの生活費がいくらかかるのか?」「ほかのシングルマザーの年収や貯金額はいくら?」という疑問はありませんか。
シングルマザーが受けられる公的支援制度もあります。
この記事では、シングルマザーの生活費について解説します。
この記事でわかること
- シングルマザーの生活費
- シングルマザーの平均年収や貯金額
- シングルマザー向けの支援制度
シングルマザー(母子家庭)の生活費はいくら?
まずは、シングルマザー(母子家庭)の生活費について、以下2つを解説します。
- シングルマザーの生活費実態
- おすすめの生活費割合
シングルマザーの生活費実態
総務省統計局の調査によると、シングルマザー(母子家庭)の生活費は、1ヵ月に約23万円かかるとされます。
子どもが18歳未満の場合の、1ヵ月あたりの生活費内訳は下表の通りです。
おすすめの生活費割合
シングルマザー(母子家庭)で貯金をしたいと考えている人は、住居費と食費の支出割合を50%以下に抑えるとよいでしょう。
支出別の金額の目安は、下表の通りです。
食費と住居費は支出の中でも金額が大きいため、これらを抑えられるように家計を見直しましょう。
シングルマザー(母子家庭)における子どもの人数別シミュレーション
生活費は、生計を共にする子どもの人数によって変わります。ここでは、以下のように人数別に生活費をシミュレーションします。
- 子どもが1人の場合
- 子どもが2人の場合
- 子どもが3人の場合
子どもが1人の場合
子ども1人で、月の支出を23万円とした場合のシミュレーションは下表の通りです。
支出の比率が高い「住居費」は、地域や物件によっても差があります。家計が厳しい場合、固定費である「水道・光熱費」「通信費」などから支出を見直すことをおすすめします。
子どもが2人の場合
子どもが増えると、必然的に生活費も増えます。子ども2人の場合のシミュレーションは、以下の通りです。
子どもが2人いる場合、生活費の目安は約24万5000円です。
子どもが3人の場合
最後に、子どもが3人いる場合を見てみましょう。
子どもが3人いる場合、約27万3000円が目安です。人数が増えるにつれ、食費や日用品費、教育費などが増える傾向にあります。
シングルマザー(母子家庭)はいくら稼ぐ必要がある?
ここではシングルマザー(母子家庭)の年収や貯金事情について、以下を解説します。
- シングルマザーの平均年収
- シングルマザーの平均貯金額
- 目安として必要な収入金額
- 収入を安定させる就業形態
シングルマザーの平均年収
シングルマザーとそれ以外の平均年収を比較すると、以下の通りです。
- 全体:458万円
- 男性:563万円
- 女性:314万円
- シングルマザー:234万円
全体と比較して、シングルマザーの平均年収は少ないことがわかります。
月収にすると約22万円で、手取りは約18万円です。
前述の通り、シングルマザーの平均生活費は約23万円のため、平均月収以下だと生活費が足りなくなってしまう可能性があります。
シングルマザーの平均貯金額
続いて、シングルマザーの貯金額を見てみましょう。
- 1世帯当たり平均貯金額:5万円
- 貯金がない:22%
- 貯金がある:74%
- 貯金50万円未満:12%
シングルマザーの平均貯金額は約422.5万円ですが、貯金がない世帯も一定数います。また、貯金50万円未満も12%となっています。
収入を安定させる就業形態
収入を安定させるためには、就業形態が重要です。
厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、シングルマザーの就業状況は、以下の通りです。
- 就業している:8%
- 就業していない:4%
- 不明:8%
正社員の場合、突然解雇になるリスクが低く、賞与にも期待できるため、収入が安定します。副業が可能な企業も増えているため、収入を安定させるために検討してみましょう。
シングルマザー(母子家庭)が受けられる公的支援制度
シングルマザー(母子家庭)は、公的支援制度を活用して生活費を補いましょう。
ここでは、以下8つの公的支援制度を解説します。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 各自治体の児童手当
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 国民年金保険・国民健康保険料の免除
- 遺族年金
- 高等学校等就学支援金制度
- 住宅支援制度
児童手当
児童手当は、母子家庭だけでなく、子どもを養育している家庭すべてが受けられます。
支給額や条件は、以下の通りです。
児童手当支給額
- 3歳未満:月額1万5000円
- 3歳以上小学生:月額1万円(第三子以降は1万5000円)
- 中学生:月額1万円
支給時期
- 毎年6月、10月、2月
支給額は子どもの数や所得控除額によって異なります。詳細は、児童手当の申請先である市区町村役場に確認しましょう。なお2024年10月から所得制限が撤廃され、給付金額が拡充される予定です。
児童手当については、こちらの記事『児童手当の金額はいくら?申請方法と支給月について解説』でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
児童扶養手当
児童扶養手当は、一定以下の収入があるひとり親家庭を対象にしています。
対象は、18歳誕生日後の最初の3月31日まで(障害児の場合は20歳未満)です。
支給される金額は、以下の通りです。
児童扶養手当には所得制限があり、扶養人数によって制限額は変わります。子ども1人を扶養している場合の所得制限額は、以下の通りです。
- 全額支給:87万円
- 一部支給:230万円
年収によって受給できる金額は異なるため、市区町村役場に確認しましょう。
児童扶養手当の場合は、同居家族の所得も審査の対象になるので要注意です。
各自治体の児童手当
自治体ごとに独自の児童手当が設けられているケースがあるので、確認してみましょう。
例えば、東京都の場合は「児童育成手当」があります。
児童育成手当の対象は、18歳の誕生日後の最初の3月31日まで(障害児の場合20歳未満)で、支給額は以下の通りです。
東京都 児童育成手当の支給額
- 育成手当:1万3500円/1人
- 障害手当:1万5500円/1人
各自治体によって設けられている育成手当は違うため、市区町村役場に確認しましょう
ひとり親家庭等医療費助成制度
ひとり親家庭等医療費助成制度は、シングルマザーの親子が病院で診察を受けた場合に、負担額を減額できる制度です。
自治体が実施している制度であり、中身は市区町村で異なります。
例えば東京都は、通院の年間上限が14万4000円です。加えて住民税非課税世帯は負担額が0円になります。
国民年金保険・国民健康保険料の免除
シングルマザーで収入が少ない場合、申請すると、国民年金保険や国民健康保険料の減額・免除を受けられます。
保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)は、以下の通りです。
遺族年金
シングルマザーで夫と死別していた場合は、遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取れるケースがあります。それぞれ受け取れる条件は、以下の通りです。
- 遺族基礎年金:夫が国民年金に加入していた場合
- 遺族厚生年金:夫が厚生年金に加入していた場合
遺族年金は、夫によって生計を維持していた遺族が受け取れる制度です。死別した夫の納付状況や年齢などに条件があるので、詳細は日本年金機構で確認しましょう。
高等学校等就学支援金制度
子どもが高校に在学している場合、授業料の負担を軽減するための支援制度があります。
日本国内に居住している高校生が対象で、支給額は以下の通りです。
高等学校等就学支援金制度支給額
- 公立の場合:高校授業料相当
- 私立の場合:所得に応じて加算
高等学校等就学支援制度には、所得要件が存在します。具体的には、世帯年収約910万円未満の生徒が対象です。
原則、入学時の4月に必要な書類を学校に提出すると、支援を受けられます。
住宅支援制度
自治体によっては、ひとり親向けの住宅支援制度があります。
支援内容は自治体によって異なりますが、家賃の一部を助成されたり、公営住宅への入居が優先されたりします。
例えば、東京都の公共社宅(ひとり親世帯入居サポート)で受けられる支援は、以下の通りです。
- 収入審査の緩和:入居時の収入審査が緩和される
- こどもすくすく割:毎月の家賃を20%割引する制度
このほかにも受けられる住宅支援はあるため、自治体に確認してみましょう。
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まとめ
シングルマザーの平均年収は約230万円で、月収にすると約22万円です。母子家庭における月々の生活費は23万円程度であるため、平均月収以下の場合は生活費が不足する可能性があります。
シングルマザーには、パートやアルバイトで生計を立てる人も多くいます。正社員に就業形態を変更できると、突然解雇になる可能性も低く、賞与を得られるケースもあるため収入は安定するでしょう。
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