34年ぶりの円安 宮城県への影響 牛タン店は負担増 餌代高騰で酪農経営を圧迫

円安が止まらず、円相場は1ドル=153円台まで下落し、34年ぶりに安値を更新しました。宮城県にも影響が出ています。

JR仙台駅前の牛タン店では、アメリカなどから輸入していて円相場が1円安になると1キロ当たりの輸入価格は15円ほど上がります。

各店舗や土産物向けに月に40トンから50トンの牛タンを扱っているため、積み重なる負担は決して軽くありません。

喜助小野博康社長室長「もう少し円が落ち着いて、140円とか135円とかこのくらいになるとだいぶ仕入れる金額も安くなる。願うしかないですね」

更に従業員の人件費なども上がっていて、コストは増える一方ですが、たくさんの来客が見込めるゴールデンウィークを前に、値上げはせずにもてなす方針です。

喜助小野博康社長室長「ここは何とか持ちこたえて、企業努力という形でゴールデンウィークが過ぎるまで価格を上げることが無く、お客様においしいものをそれなりの価格でお召し上がりいただきたい」

円安により輸入の餌代も高騰していて、酪農家の経営を圧迫しています。

宮城県涌谷町で乳牛60頭を飼育する斉藤常浩さんは、牛の餌として自給している牧草などに加え輸入の配合飼料と牧草を使っています。

斉藤農場斉藤常浩さん「餌を少なくすると乳量や繁殖にも影響が出るので、餌は高くても食べさせないといけない状況です」

輸入の配合飼料と牧草の値上がりで、月の餌代は計200万円とコロナ前の2019年より100万円も増え、経営を圧迫しています。

斉藤農場斉藤常浩さん「肥料価格やトラクターを動かす軽油も値上がりしていて、自分でできる範囲での努力はしているが、円安が円高に振れるのを祈るしかないという状況です」

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