2021年に島根県出雲市の猪目漁港へ生きたまま流れ着いたダイオウイカの公開解剖が14日、しまね海洋館アクアス(同県浜田、同県江津市)であった。県内外の約400人が、普段見られない深海生物を興味深そうに眺め、海の不思議に思いをはせた。
島根大生物資源科学部の吉田真明准教授(ゲノム生物学)が、アクアスで冷凍保存していた体長4・1メートル、体重170キロの個体を解剖。「脚の真ん中に口がある」「目玉は生物界で最大」などと説明しながら、1時間半かけて口や心臓、平衡感覚をつかさどる耳石などを摘出していった。生態の解明に向けた研究に生かす。
県内で見つかったダイオウイカでは最大で、海の生き物に広く関心を持ってもらおうと、アクアスが企画した。浜田市の国府小4年渡邊清士さん(9)は「墨袋などが意外と小さいことに驚いた。泳いでいる姿も見てみたい」と振り返っていた。