水原容疑者解雇で…大谷翔平に変化「通訳に頼らず」 寄り添う同僚と深まった“絆”

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

大谷と同僚のコミュニケーションに米メディア「スポーツという世界の共通語」

ドジャース・大谷翔平投手が、試合中に通訳なしでみせる同僚とのコミュニケーションに米メディアが注目。「スポーツという世界の共通語ほど壁を取り払うものはない」と、通訳だった水原一平容疑者に関する騒動の渦中にいた大谷の心情に寄り添い、大谷のコミュニケーション能力を賞賛した。

米スポーツ専門局「ESPN」のオールデン・ゴンザレス記者が「ショウヘイ・オオタニがドジャースのチームメートとどのように絆を築いているか」とコラムを掲載した。本拠地開幕戦となった3月28日(日本時間29日)のカージナルス戦でのワンシーンを描写。

「2番・指名打者」で出場した大谷は7回に中継ぎのライリー・オブライエンから空振り三振を喫した。ベンチに戻ると、打順を控える5番マンシーがオブライエンの球筋を聞こうと声をかけてきた。

「その瞬間に、オオタニは、おそらく、彼が最も必要としていたものを手に入れた。オープンになること。新しいチームメートと自然につながるチャンス。このことは、おそらく、スポーツという世界の共通語ほど壁を取り払うものはないということを思い出させてくれた」

記事ではその場に通訳が“同席”していなかったとして、「ジェスチャーと着実に上達している英語を使って、オブライエンのスライダーの切れとカーブの曲がりを説明しながら、マンシーの打席での対応の仕方を確認した」と言及。さらにへルナンデス、アウトマンとも同じような会話や議論を始めたことで、「シーズン最初の2週間余りでおなじみの光景となった」と表現。アウトマンは「僕らは野球という共通語で話すんだよ」と語った。

マンシーは大谷について「通訳に頼らずにコミュニケーションを取ろうとしている」

マンシーも「過去数年間、異なるリーグにいたので、僕が対戦したことのない選手が彼とはある場合もあるし、その逆もある」と述べた。さらに「彼は交流しようとしている。通訳に頼らずにコミュニケーションを取ろうとしている彼を、僕は称賛したい。言葉の壁はあるかもしれないが、これは野球だからね。彼にとってコミュニケーションが取りやすいだろう」と大谷のふるまいに敬意を示した。

同メディアは水原容疑者が解雇されたことで、「彼がさらに孤立にするように見えた」と心配していたが「そのギャップ(同僚との“距離感”)を埋める最良の方法のひとつが、野球の試合中に自然に生まれる会話であることをドジャースは学んだ。そのような場において、オオタニは(情報を)受ける側であると同時に、提供する側でもあるのだ」と伝えていた。

新通訳のウィル・アイアトン氏は通訳以外の仕事を持ち、大谷の生活にはほとんど関与していない、と言及。「チームメートたちは、誰かが常にオオタニのそばにいるわけではないので、気まぐれにオオタニに近づいてもいいと思っているようだ。ロッカーでも、打者ミーティングでも、試合中でも」とした。

大谷と同じ左打者のアウトマンは、相手投手について頻繁に議論を交わしているという。ゴンザレス記者が大谷について気づいたことを聞くと、「時々、彼にとってゲームが簡単すぎるように見えることがある。「彼は我々と同じ野球選手だ。だけど、彼の才能は並外れたものだ」と答えていた。(Full-Count編集部)

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