浦和が声明を発表。西野TD退任&堀之内SD新任に「フットボール本部という組織の成長過程における、健全な変化」

浦和レッズが4月15日、「フットボール本部の体制変更」について、西野努テクニカルダイレクターの退任、堀之内聖氏のスポーツダイレクター就任を発表した。

田口誠社長の名義で発表された声明では、まず西野氏の退任に言及。フットボール本部設立時のスポーツダイレクター、テクニカルダイレクターがともにチームを離れた点に謝意を示したうえで、次の通りコメントした。

「浦和レッズおよびフットボール本部としてのチーム強化の歩みを遅滞させるものではなく、継続性を伴ったチーム強化の実現を目指すフットボール本部の、組織としての成長を目的とした取り組みの一環であることをまずもってお伝えさせていただきたく存じます」

また、社長自身を含め選手やスタッフが皆、いつかはクラブを去るが浦和は残るなかで方向性を維持し継続的に強化に取り組むという考えから、「チーム強化は決して聖域としてはならず、属人的なものであっても、精神論に頼ったものであってもなりません。チーム強化は、継続実現性を伴った取り組みである必要があり、またそれを実現するためには、フットボール本部という組織自体も常に強化し、成長し続ける必要があります」と表明した。

この考えはフットボール本部の設立時から不変で、西野氏の退任を「フットボール本部という組織の成長過程における、健全な変化である」と位置付けた。

【PHOTO】アウェー日立台に集まった浦和レッズサポーター!
退任のタイミングがシーズン中になった点については、デメリットに触れつつ、「シーズン後半やシーズン終了後に交代することと比較して、選手の登録が認められる登録期間(ウインドー)の最大活用が期待できる」とメリットも提示した。

一方、スポーツダイレクターに就く堀之内氏について、前監督のマチェイ・スコルジャ氏を招へいの際の功績も紹介。堀之内氏の現地調査とフットボール本部所属アナリストによる独自のデータリサーチが、候補者に入っていなかった前指揮官をリストアップする要因になったという。このことから、以下のように組織の力を強調した。

「『今の浦和レッズに必要な監督』の定義がフットボール本部内で個々人の解釈に頼ることなく、明確に理解されていたことにより集合知が生まれやすい環境をつくることができていたことと、それによって判断のスピードを落とすことなく行動に移すことができたという3つの要素があり、フットボール本部の組織としての成長が垣間見える事象であったと考えております」

そして、最後にこう呼びかけた。

「浦和レッズは引き続き、『個の能力を最大限に発揮する』、『前向き、積極的、情熱的なプレーをする』、『攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする』というチームコンセプトに基づき、クラブ主導で魅力ある、そして結果を出せるチーム作りに心血を注いでまいるとともに、それらを継続的に実現できる組織作りにも邁進してまいります。

チームを強化していくこと、そして熱く応援していただけるクラブであり続けるためには、正しい努力、強い意志、応援してくださる方々への愛情と敬意、そして結果が必要であると強く認識しており、ペア マティアス ヘグモ監督をはじめ、選手、スタッフ一同、2006シーズン以来18シーズンぶりのリーグタイトル獲得に向けて全力で闘ってまいりますので、引き続きの熱いサポートを、どうぞよろしくお願い申し上げます」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

© 日本スポーツ企画出版社