ハワイの人に届け後藤濶の地元大磯 加藤さんが英語本執筆 大磯町・二宮町・中井町

製本された本を持つ加藤さん

大磯町国府本郷在住の加藤喜規さん(80)が大磯出身の民権家・後藤濶のふるさとについて知って欲しいと執筆した英語の本が3月上旬、後藤が眠るハワイのハマクア浄土院に到着した。

同本のタイトルは「aGOTO:KatsuGoto'sImaginaryAvatarVisitsOiso,Japan」。後藤濶が透明人間となって現代の大磯に降り立ち、地元である生沢周辺や大磯駅前、吉田茂邸、大磯ロングビーチなどを巡る。

日本人移民の労働環境改善に奔走した後藤に花を手向けようと寺院を尋ねる人や同寺院の檀家らに配布される。加藤さんは「後藤がいた地域は広島など西日本からの移民が多いエリア。後藤についても、現地の人はおそらく西の方の人だと思っている。大磯だと教えたい」と話す。

後藤がハワイに渡ったのと同じ、24歳の時にハワイ留学したという加藤さん。「自分と重なる経歴に親しみを感じていた」と、2010年から個人的に後藤濶について調べ始めた。当時、後藤の具体的な出身地は明らかになっておらず、郷土資料館の館長と共に祖先の可能性がある家を訪ねた。「ハワイと書いてある石碑がある」と聞きつけ、確認すると後藤の墓碑だった。寺坂で生まれていたことがわかった。

「後藤の民権家としての功績をまとめている人はたくさんいる。大磯にスポットを当てられるのは僕くらいでは」と、ハマクア浄土院の檀家向けニュースレターに、本の前身となる物語を連載。今回、永久保存版としてまとめた。

加藤さんは「いずれはハワイの人に大磯に観光に訪れてほしい」と期待する。本は大磯町内の図書館などに寄贈済み。

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