秦野でセブンイレブンの移動販売車導入 買い物困難者を支援「全域カバーしたい」

披露された移動販売車。品揃えを確かめる親子ら=10日、セブンイレブン秦野尾尻店

 高齢化社会の進展に伴い増加が懸念される買い物困難者を支援しようと、コンビニエンスストア「セブンイレブン秦野尾尻店」(秦野市尾尻、高橋大助オーナー)が移動販売車による「セブンあんしんお届け便」を開始した。2021年に「セブン-イレブン・ジャパン」(東京都千代田区)と市が結んだ包括連携協定を形にした高橋オーナーは「市民への寄り添い方を考えた。この車を活用してほしい」とアピールした。

 同社の移動販売車は、11年からスタート。県内では横浜、相模原市、湯河原町などで導入され、県内では6店舗目となる。高橋オーナーは「報道で移動販売車を知ってから早く秦野でも起用したかった。5年越しの悲願」と振り返る。

 高橋オーナーは同店など市内の4店舗を経営する一方、配達事業にも着手している。消費者の高齢化が進み、自由に買い物に出かけられなくなった世帯からの受注などが多い。家族らが食材を買ってきてくれることもあるが、商品を自分の目で選びたいという声が大半を占めたという。自身が運転する車に乗せて同店へ連れてくることもあったが、「同乗させるリスクも考え、移動販売車がやはり必要」と導入に踏み切った。

 「お届け便」は特に配達の利用者が多かった千村、鶴巻北、本町地区を対象に週1回運行する。「お声が掛かれば市内全域をカバーしたい」とも意気込む。

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